合宿の季節になりました。

 夏の合宿は、自由学舎創設以来二十余年にわたり、一度 も欠かした ことのない大切な行事の一つ。時代の流れとともに少しづつその内容や意義も変化してきましたが、一貫 して変ることのなかったことの一つは、『怒鳴り声をあげな くてよい』合宿生活です。本物の自然に触れ、その懐に抱 かれ、心身共にリラックスできる空間の中では、子どもたちも大人たちも真っ直ぐに、すくすくと朗らかに暮らして いけるものだと、怒鳴り声をあげて抑制しなければならないような事はそうめったに起こらないものだと、実感しています。夜見上げる満天の星空、おいしい涌き水、その水で作るご飯や味噌汁、コーヒーも紅茶もみんなとにかくおいしいのです。子供たちの感想には決まって、今回の大人たちはみんな料理が上手でどの食事もおいしかった、とあります。水のせいだよ、と答えていますが。魚が嫌いでこれまで一度も食べたことのなかった子も、釣りたての岩魚を焼いて(最初は渋りますが)食べたら、おいしいおいしい、と言って2 匹目も欲しがることがよくあります。おいしいことって大事ですね。好き嫌いは、偏見の一つでもありますから、それを取り除けたことは、この子にとって大きな収穫でした。今まで知らなかったもの、嫌いと済ませてしまっていたものにチャレンジできたことは大きな自信につながりました。
 さあ、今年もいろいろな合宿があります。ともに暮らした子どもたちは信じられないくらいに仲良くなります。これから、この合宿の楽しさを順次ホーム ページにアップして読者のみなさんにおすそわけしたいと思います。

(自由学舎塾長:下田秀明 )  

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