田村亮子
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 柔ちゃんを描くのはバルセロナのとき以来2回目だ。柔ちゃんのような“おばちゃん顔”は生涯顔立ちがあまり変化しない。年寄りになってもそんなに老けないが、その代わり子供のころから多少おばちゃん顔である。ここでいうおばちゃん顔とは「厳しいが人情深い」「身近感がある」「てきぱき働く」というイメージがある顔のことで、「ずうずうしい」「自分勝手」「怠け者」のオバハン顔とは異なる。柔ちゃんはまだ高校生だったけど1度描けばずっと使えるだろうと思っていたら、8年間でずいぶんスリムな顔になってしまった。バルセロナのときの柔ちゃんキャラクタと比べるとよくわかる。結婚もすることだし、今が一番スリムなときかもしれない。でも10年20年して柔ちゃんが本物のおばちゃんになってふっくらしてきたら、きっとまたこのバルセロナのときのキャラクタが使える。大切に取っておこう。
バルセロナのときの柔ちゃんキャラクタ
 この作品は92年に週刊朝日似顔絵塾に掲載された。そのとき「この2頭身の絵が誇張ではなく写実に見えるほどの愛嬌のある体形」と山藤塾長に評されたこともあり、自分の作ったキャラクタの中でもとくに気に入っている。
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