桂 米朝
前回は江戸落語の圓楽師匠だったから今回は上方落語界から大御所の桂米朝師匠にご登場願おう。私が中学生のころ、深夜の人気ラジオ番組の中に「ミッドナイト寄席」というコーナーがあった。いつもは10分程度の短い漫才か落語だが、あるとき番組の特別企画として米朝師匠の「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」という長い落語を二晩に渡って放送した。中学の落語研究会所属の私はそれが師匠の十八番であることを知っていて、その日は夕方から異様に手際良く宿題や次の日の用意やらを片付け、なぜか部屋の整理整頓まで済ませて、1時間以上も前から布団の中にラジオとミカンを持ち込んで放送を待った。
さてこの米朝師匠のイラストであるが、ポイントは「ほおの赤丸」と「赤い耳」である。米朝師匠はほおが出っ張っている。肖像画ならほおの頂点に向かってグラデーションをつければ表現できるが、線では表しにくい。そこで便利なのが赤丸。丸山茂樹にも使った。また米朝師匠の色白を表現するには少し耳を赤くするのが有効だ。
8月25日
江戸落語春風亭小朝の天才に勝てるのは
この桂枝雀だけだったのに惜しいことだ。