　「今日、関東甲信越地方でも梅雨が空けたように思われます」という何とも責任逃れで自信なさげな梅雨明け宣言が出たので暑中見舞いにする。次の日本代表監督もジーコに決まったし、いまさらW杯でもないが、このカーンだけは登場させておきたかった。理由はその完成されたキャラクタにある。カーンは実在であるが、例えばW杯を舞台にしたサッカー漫画を描くとして、「ドイツ人」「知的」「頑固」「守護神」「悲運」というようなキーワードをもとにキャラクタを創造すれば、８割以上はカーンが出来あがってくるだろう。まず「ドイツ人」だから茶髪で目をくぼませる。また、おでこを広くすると脳みそがたくさん詰まっているように見えるので「知的」さが出る。「頑固」はへの字口、「守護神」はキーパーの服装、「悲運」は膝を抱えた姿で表す。このようにキーワードをたどって行けば本人ができてしまうというのが「キャラクタ似顔絵」の理想形だ。それにしても私にはカーンは誰かがカーンのお面をかぶって役づくりしているように思えてならない。