私の趣味の音楽のページ
 
  

 外国音楽への興味は、小学校時代に観た映画:「グレン・ミラー物語」が始まりでした。
映画館から帰ってきて、両親が、“ジューン・アリスンが可憐で良かった”とか、
“ジェームス・スチュアートは役柄にぴったりだった”等と感想を話し合っていた事が、懐かしく想いだされます。
 その後、我が家に
「Moonlight Serenade」 「A String Pearls 等のレコードが、時折流れていた覚えがあります。

■ 「The Glenn Miller Story」 : 1954

 特別、裕福な家庭ではなかったものの、
比較的進んだ両親のおかげで…、
沢山の、楽しい体験をもつことが出来ました。
 

☆ ミュージシャンの伝記以外に、沢山のミュージカル映画が上映され、
「回転木馬」 「オクラホマ」  「王様と私」 「略奪された七人の花嫁」 など、ひたすら観ました。
・ロジャース&ハマーシュタインという名前を何度も聴いて、その頃憶えました。
・「回転木馬: 
「If I Loved You」 シャーリー・ジョーンズが、清楚で印象的でした。
・「オクラホマ」: 
「飾りのついた四輪馬車」 成人してモダン・ジャズで随分聴く事になり、不思議な感覚です。
・「王様と私: 
「Shall We Dance」 あんなツルッパゲに、デボラ・カーは、もったいないと真剣に思ったものです。
・「南太平洋」: 
「Bali-Hai」 「Some Enchanted Evening」 ミッチー・ゲイナーのきわどい格好に、ドキドキしました。

 ミュージカルでの、男優は、みんな気持ち悪く感じたり、この頃の体験から、ミュージカルを嫌いになった事や、
日本のミュージカルなんて、めっそうもないと思うようになった事など…
当時を振り返ると、いろんな事が懐かしくよみがえってきます。
   
■ 「Gene Kelly & Danny Kaye」


・「五つの銅貨: 今では、レッド・ニコルスを良く知っていますが、
病気の子供と、ダニー・ケイ演じる、悩めるお父さんとの感動映画という印象でした。
サッチモ等とのジャム・セッションのシーンでも、
なぜかピンとこなかった事を覚えています。

 若き日の、グレン・ミラー、ジャック・ティ・ガーデン、ベニー・グッドマンを擁して、

「Indiana」 「After You've Gone」
 など、素晴らしい演奏を残したことを知ったのは、
ずっと後になってからのことです。
 当時の音楽としては、かなりパンチもありスィング感に溢れている演奏だと思いますが、
残念ながら現代スタンダード・ナンバーとして親しまれている曲がまだ出揃っていない時代だけに、
聴きなじみのある曲が少ないのが不満です。
 また、レッド・ニコルズというと反射的に、今でもダニー・ケイが、
まず思い浮かぶというのも困った事です。

「雨に唄えば」:これは伝記映画ではないのですが、
ジーン・ケリーより、デビー・レイノルズが可愛らしかったことで忘れられない映画です。
彼とシナトラが共演したお笑い映画があったはずですがはっきりしません。
 でも、子供の頃ジーン・ケリーやダニー・ケイの喜劇映画はいくつも観たような記憶があります。


 「High Society」 : 1956 

「上流社会」: 当時、最もオシャレな映画でした。
ルイ・アームストロングのキャラクター、グレース・ケリーの美しさが、
より印象に残っています。
グレース・ケリーの映画は沢山観ましたが、
チョッと気取った感じが気になっていました。
(丁度、東宝映画での司葉子のようで、私としては、優しさを感じる、白川由美のほうが好みでした。)

 クロスビーとサッチモの
 「Now You Has Jazz / これがジャズだ  という挿入曲は、
粋で洗練された歌が、映像と共に、今でも鮮明によみがえります。
ジャズの楽しさを知った映画でもあります。
 後にサッチモが、ジャズで最高のクリエイターだと知ったのですが、
彼の音楽に特別感動しないのは、小さい頃から、あまりに身近だったせいかもしれません。
 お気に入りの、フランク・シナトラは、やさ男の感じでした。
歌では圧倒的な存在感がありますが、映画での彼は、概してあまり粋ではありません。

■ 「絹の靴下」 : 1958
 
 

 
ビング・クロスビー、ダニー・ケイ、ジーン・ケリーの3人は、
歌って、踊れて、コメディもできる、多才なアーティストとして有名です。
私は、彼らをあまり好きではありません。
 3人に比べて、フレッド・アステアは、
「足ながおじさん」 「絹の靴下」 
などのミュージカル映画での印象は凄くダンディで、スィンギーな感じがして好きでした。
その差は、微妙で良くわかりませんが、現在、彼らの歌や映画に接する機会は、
ほとんどありませんから、昔感じたイメージが、そのまま今でも残っています。


■ 「Benny Goodman Quartet」


・「ベニー・グッドマン物語」 は、なぜかその頃観た覚えが無く、
成人してからリバイバルで観たのですが、
ほとんど感動を覚えなかったことは、
映画の出来栄えとは別に、見る側の私の感受性が、
昔ほどではなくなったことに起因しているようです。


♪ 映画には関係なく、ベニー・グッドマンのカーネギー・ホール・ライブCDには、

「Don't Be That Way」
 で幕を開ける、当時、人気bPバンドの、生の音楽が再現されていて、楽しめます。

 ベニー・グッドマン(Cl)、ジーン・クルーパ(Ds)、テディ・ウイルソン(P) トリオでの 
「Body And Soul」
 ライオネル・ハンプトン(Vib) を加えたカルテットでの 
「Avalon」 「The Man I Love」 「I Got Rythm」  は、
人種を超えた、優れたアーティスト達の、名演奏を聴くことが出来ます。

・「Honeysuckle Rose」 は、カウント・ベーシー楽団や、デューク・エリントン楽団の、
花形プレイヤーを迎えての、ジャム・セッションですが、バック・クレイトンやレスター・ヤングの参加もあって、
ベニー・グッドマン楽団の人気のほどと、カウント・ベーシー楽団が、ニューヨークへ進出して来た、
当時の状況が見えるようです。
 レスターのテナーに始まり、ベーシーのピアノ、ホッジスのアルトへと続き…、
13分にも及ぶ正に贅沢な演奏が楽しめます。

 20年代ジャズ再現の1曲 
「I'm Coming Virginia」 では、
トランペットが苦手な私の、数少ないお気に入りボビー・ハケットが、
美しい音色のコルネット・ソロを熱演しています。
彼とリー・ワイリーとの素晴らしい作品については、いずれ触れたいと思います。

 そのリー・ワイリーの旦那になる、ピアニストのジェス・ステイシーが、

「Sing,Sing,Sing」
 の最後のパートで、印象的なピアノ・ソロを聴かせてくれます。

・「Blue Reverie」  では、ジョニー・ホッジスのソプラノ・サックス、ハリー・カーネイのバリトン・サックス、
そしてクーティ・ウイリアムスのミュート・トランペット・ソロが聴けます。

 さすがに、スィング王と言われたグッドマンにふさわしい、贅沢なメンバーによる最高の演奏が凝縮された、
素晴らしいアルバムです。

 小さい頃に映画を観ていたら、このCDは、もっと違った楽しみ方になっていたと思うと、チョッと残念です。

♪ ベニー・グッドマン楽団の専属歌手は、ヘレン・ウオード、マーサ・ティルトンや、ペギー・リー等が有名で、
皆好きな歌手ですが、特に、私にとってのアイドルは、ヘレン・フォレストです。

 
38年、我がビリー・ホリデイが在籍中だったアーティ・ショウ楽団で,「Deep Purple」  等のヒットをとばし、
楽団解散の後39年グッドマン楽団に移り、41年にハリー・ジェームス楽団へ移ります。

 
「I Cried For You」 「You GoTo My Head」  般的には評価の高い曲も、
私には、その情感たっぷりの歌よりは、レコードを持っていたからか、
グッドマン時代の
「The Man I love」 「Perfidia」  を歌う彼女の方が数段、可憐で愛らしく思えます。
美形とあいまって、演奏の良し悪しに関係なく、グッドマン時代のイメージで、彼女は私のアイドルになっています。
 
 
■ 「Helen Forrest」


▽ 1938/1941年: 「Begin The Beguine/ Artie Shaw」 
「Comes Love」 「Deep Purple」 「Moon Ray」 
 モダンなアレンジが特徴のアーティ・ショウ楽団での、
ヘレンの歌を聴くことが出来ます。


▽ 1943/1946年: 「Harry James And His Orchestra Vocals *
Helen Forrest」 
「If That's The Way You Want」 「I Couldn't Sleep A Wink Last Night」 「It's Been So Long」 
「You Go To My Head」

 ライブ演奏のハリー・ジェイムス楽団で、愛するハリーのもとで、のびのび歌う、ヘレンが聴けます。

▽ 1955年: 
「Harry James In Hi Fi」 
「I've Heard That Song Before」 「I'm Begining To See The Light」 「I Cried For You」 
「It's Been A Long, Long Time」
 いわば、再会セッションの感じですが、録音状態もよく、洗練された、ハリー・ジェイムス楽団の、
名演奏が一杯詰っていて堪能できます。

 この3枚は、ヘレン・フォレストだけでなく、全盛期の、ビッグ・バンドのスィング・ミュージックを、
十分楽しめる素晴らしいアルバムです。

▼ 1949年: 「I Wann Be Loved」 カーメン・ドラゴン・オーケストラをバックに、
情感たっぷりに歌っています。全曲スローなラブ・バラッドで、円熟した彼女の歌を楽しめるはずです。

▼ 1954年: 「Falling Love With Love」 バディ・デ・フランコ・セクステットでしっとり歌っています。
ジャケットはヘレンの美しい顔のクローズ・アップで、申し分ありません。

 この2枚のCDは、彼女が、ソロ・シンガーになってからのアルバムですが、スィング感が無く、
大げさな歌い方は、あまりにも癖が強くて私のイメージと違うので、
残念ながら、二度と聴かないようにしています。


▽ 「Benny Goodman Featuring Helen Forrest」
 
 1940年〜1941年の、そうそうたるメンバーをバックに、初々しいヘレンの歌が、16曲も楽しめます。
 「The Man I Love」 
「Perfidia」  「Lazy River」 「Yours」 「Amapola」 
「Smoke Get In Your Eyes」 「Oh! Look At ME Now」
…なんと可愛らしいこと。
やはり、私のイメージにぴったりの彼女は、ベニー・グッドマン時代だったことを再認識しました。
 「Smoke Get In Your Eyes」 には、あの、チャーリー・クリスチャンまで、名を連ねているという豪華さです。

 私がファンというだけでなく、オーケストラのスィング感、アレンジの見事さと、
ヘレン・フォレストの愛らしい歌いぶりが見事にマッチしていて、ベニー・グッドマンの作品の中でも、
かなり聴き応えのあるアルバムだと思っています。


ブラスとサックスによるコール&レスポンス、いわゆる “キラー・ディラー・スタイル” の
歯切れの良さ、心地よさ…、スィング・ジャズの最大の魅力がここにはあります。

  
■ 「Martha Tilton」


♪  さりげなく、やや投げやりの歌い方が好ましかったのは、
37年〜39年、グッドマン楽団に在籍したマーサ・ティルトンです。

 カーネギー・ホール・ライブのCDで
 
「Bei Mir Bist Du Schoen」
 「Lock Lomond」 が聴けますし、
映画 「ベニ・グッドマン物語」 では、ヒット曲 
「And The Angels Sing」 を歌う、彼女自身の姿を観る事が出来ました。

▽ 「Bei Mir Bist Du Schon」
 このアルバムは、それらの歌も含め、最盛期ののベニー・グッドマン楽団での、
マーサ・ティルトンのヴォーカルを特集したもので、20才前とは思えない、大人びた歌を楽しめます。

「Bei Mir Bist Du Schoen」
 
ここではカルテットにマーサ、ジギー・エルマンのトランペットというメンバーです。
当時、SP両面に渡る特別な構成が、珍しさもあって大ヒットした、とライナーに書いてありますが、
一旦終わってまた始まるという、チョッと変わった演奏が楽しめます。

「Lock Lomond」
 
スコットランド民謡をスィング・ジャズで…、嬉しい事に、グッドマンの生歌を聴く事が出来ます。
ほんの2小節ほどですが…。

「I Can't Give You Anything But Love, Baby」
 
グッドマン楽団での初ヴォーカルだそうですが、18才にして、その堂々とした歌いっぷりには驚かされます。

「Silhouetted In The MoonLight」
 
グッドマン、テディ・ウイルソン、ジーン・クルーパのトリオと、マーサというシンプルな構成が新鮮で、
リラックスした雰囲気が感じられます。


「I Let A Song Go Out Of My Heart」
 デューク・エリントンの作品です。
スロー・ナンバーを、チョッとすねたような歌い方が可愛らしいところです。


「It' The Dreamer In Me」 「Please Be Kind」 「Blue Interlude」
 
スロー・バラッドを背伸びして、一生懸命歌っている感じが、けなげです。

「Thanks For The Memory」
 あまり感情移入しない歌い方が、グッドマン・スタイルにフィットしていて、
そっけない表現に魅力があります。
この曲は、アンサンブルとヴォーカルに統一感があり、適度なスィング感も心地よく、
特に気に入っています。

「You're A Sweet Little Headache」 「This Can't Be Love」 「I Must See Annie Tonight」
 これらも、さらっとした歌い方で好感が持てます。
 彼女は、ヘレン・フォレストが、山の手のお嬢様という印象に対して、
下町の娘といった気軽さが魅力の女性だと思っています。
私が子供時代に「ベニー・グッドマン物語」を観ていたら、
恐らく、ヘレンよりマーサ・ティルトンを好きになっていた事は間違いありません。
  
■ 「Peggy Lee」


♪ 投げやりといえば、41年からの、グッドマン楽団の花形歌手:
ペギー・リーのほうが顕著です。
「Why Don't You Do Right」 「That Did It, Marie」
 彼女の歌は、極端にそっけない感じです。
それが妙に魅力的でもあります。


「Elmer's Tunes」 「Shady Lady Bird」 「Let's Do It」 「The Lady Is A Tramp」 「I Threw A Kiss」
 若々しいけれど、その後の“投げ節” の片鱗を聴く事が出来ます。

「How Long Has This Been Going On ?」
 “投げ節” というより、“捨て鉢” といった、けだるい雰囲気です。

「How Deep Is Ocean ?」 「I Got It Bad And That Ain't Good」 「These Foolish Things」
 バラッドを、しっとりと情感たっぷりに歌っています。その後の活躍を予感させる表現です。


▽ 「Black Coffee」54年 私の好きなアルバムです。
「Love Me Or Leave Me」
 ピート・カンドリのトランペットとのかけ合いで、スウィンギーで粋な、彼女の完成された
 “投げ節” を楽しめます。

「Black Coffee」
 コーヒー好きの私にとっては、特にたまらないスロー・バラッドで、
失恋とコーヒーの苦い味をダブらせた、シャレた内容と、すねたような、彼女の語り口が最高です。

「I've Got You Under My Skin」 「Easy Living」 「My Heart Belongs To Daddy」 
「There's A Small Hotel」

 これらの、バラッドや、スィングする曲も、成熟した女性の、ハスキーな色気と、
ジャズ・フィーリングに溢れています。 

「Gee, Baby Ain't I Good To You」
 ジミー・ラッシングが、ベストと思っているこの曲も、しっとりとした、独特な表現で、
魅力に溢れています。 くつろいだ雰囲気が伝わってくる、お気に入りのアルバムです。

 彼女については、 「大砂塵 : 
Janny Guiter」 など少年時代から身近な存在だった為、
ヘレン・フォレストやマーサ・ティルトンのように、愛らしい、という表現は当てはまりません。
 他にも素晴らしい作品が沢山あるので、そのうちに、CDで聴くことになりそうです。。

■ 「Helen Ward」


 ヘレン・ウォードは、最初の美人専属シンガーで、
グッドマン楽団発展に大きく貢献した女性ですが、「Goody Goody」 
「Sing Me A Swing Song」 「These Foolish Things Remind Me Of You」 …。
また、テディ・ウイルソンのブランズウィック・セッションでの
「There's a Lull in My Life」
「It's Swell of You」 「How Am I to Know」 「I'm Comin' Virginia」 
など、
上手で魅力あるヴォーカルを、当然現在でも楽しんでいます。
 

■ 「Harry James/Les Brown/Artie Shaw」


♪ ハリー・ジェームス楽団は、
私のお気に入り、カウント・ベーシーをもじって
ホワイトベーシーと言われていますが、
「Ciribiribin」 「Trumpet Blues」 「Sleepy Lagoon」
「Cherry」 「Autumn Serenade」 「Melancholy Rhapsody」 「Strctly Instrumental」 
「Sleepy Time Gal」
等の代表曲以上に印象的なのは、
「The Mole」  です。
 成人してからずっと聴いていたFENの「スウィンギングイヤーズ」という番組のテーマで,
期待を増幅するようなイントロは、忘れられない心躍る曲の一つです。

 トミー・ドーシー楽団の 「Opus 1」 もこの番組で聴いた憶えがあるのですが、
他にも同様のスィング音楽があって、そのテーマ曲だったのかもしれません。
こちらは出だしから元気の良いメロディですが、どちらも懐かしさから、今でもグッとくる曲です。

 彼の演奏は、歌心いっぱいのロマンティックなサウンドと、
小気味良いハードなドライヴ感のバランスが大好きで、トランペット奏者でもと思った時は、
今でも、ハリー・ジェイムスかボビー・ハケットのCDを聴くことが多いようです。

       
♪ レス・ブラウン楽団と、ドリスディの「Sentimental Journey」  等を聴くと、
彼女がビッグバンド歌手として一流である事は解りますが、どうしても

「Que Sera Sera」
…ヒッチコック映画:「知りすぎていた男」での、
キュートで良妻賢母のイメージが強く、ジャズ・シンガーであることを忘れさせます。

 「夜を楽しく:
Pillow Talk 」 「パジャマ・ゲーム などの映画でも、そばかす顔の、
明るく優しい笑顔が素敵でした。
  
■ 「Doris Day」

 私の中では、ジューン・アリスンにも共通する妙に身近な存在で、
好きだ嫌いだという感情では評価できない…特別な女性です。
 ヘレン・フォレストや、ジョー・スタッフォードに対しては、
時代を超えて恋人感覚なのに…。
恐らく、50年代スクリーンで彼女に接したほとんどの人が、
特別な感情を抱いているはずですが、
私の場合は恋人と感じるにはチョッと若すぎたようです。
映画を観るたびにロック・ハドソンが羨ましかったものです。

「A Guy Is A Guy」 「My Romance」 「That Old Feeling」 「It's Magic」 「Again」 
「The Very Thought Of You」 「Crazy Rhthm」 「Lullaby Of Broadway」
 …
これらのヒット曲以外にも、彼女の素敵な歌はテープでは残っているのですが、
いずれCDをきっちり揃えなくてはいけません。
 ちなみに私が一番気に入っている彼女の歌は 「Again」 で、活動的なイメージとは違って、
女性らしいしっとりとした魅力に溢れています。

 レス・ブラウンつながりでルーシー・アン・ポークも…、
以前どこかで見た彼女の顔がとてもチャーミングだったので、
これも一緒に…。女性ヴォーカリストについてはいずれページを改めて取り上げるつもりです。


「Secret Love
「The Black Hills Of Dakota
 ドリス・デイ主演のミュージカル映画:「カラミティ・ジェーン」 の主題曲ですが、
本格派西部劇ファンでもある私としては、イマイチといった印象でした。


☆ チョッと、わき道へそれますが、小学校時代に観た、映画:「平原児」 
ゲーリー・クーパー主演の、この西部劇は、苦い思い出として、決して忘れられない作品です。
ワイルド・ビル・ヒコックという、実在の早撃ち名人で、恋人が、カラミティ・ジェーンという設定です。
当然、彼の早撃ちシーンなどは、カッコいいのですが、問題はラスト・シーンです。
 酒場で、のんびりポーカーをしている時、後ろから、名も無い奴に撃たれて、
あっけなく死んでしまうという幕切れに、当時、相当なショックを受けました。

 
「誰が為に鐘は鳴る」 のように、納得できる展開と違って、全く突然、
主人公がやられてしまうというのは許しがたく、それ以降、このての映画を、敬遠するようになりました。

 その後、“決して、ストーリーを他人に喋らないでください”、という宣伝文句のため、
事前の情報不足で、予知出来なかった映画があります。
 
「サイコ」
 で、好きだったジャネット・リーの、あまりにも残酷な、サドン・デスに遭遇してしまいました。
  

■ 「必殺の一弾」


☆ ついでに話は飛びますが、
私の西部劇映画ベスト1は 
「必殺の一弾」 です。
グレン・フォード扮する雑貨屋の主人が、
実は隠れ早撃ちの名人で、酔った勢いで腕を披露したため、
ガンマンと対決せざるを得ない状況に、
追い詰められてしまうという内容ですが…、
・拳銃を抜く時、ホルスターで引っかからないように、
紐で結ぶことを得意げにバーの男に講釈するシーン。
・手にもったジョッキのアップ越しに、遠くに立ったグレンが抜くが早いか、
目の前のジョッキが飛び散るあの名シーン。
・テレビシリーズ 
「ハイウェイ・パトロール」 で警官役だった、ブローデリック・クロフォードの
いかにもそれらしい、両手をへらへら動かす無頼漢の演技。粋なラストシーン。
・それと、フェリシア・ファーが清楚で、気品があって最高でした。ジャック・レモンの奥さんだった人です。

 この映画は一般的には、B級にランクされるのでしょうが、私にとっては、いまだにベスト1です。
(成人してから、共演の女優は、ジーン・クレインであると、どこかに書いてありました。
「去り行く男」 か何かと混同しているのかも知れませんが、私の想い出の中では、
これもフェリシア・ファーであって、いまさら違うといわれても、変更のしようがありません。)
  
■ 「Gary Cooper : Chinese Theater/Holly Wood


 ちなみに2番は、ゲーリー・クーパーと
バート・ランカスターの、友情と決闘が主題の、
こちらはメジャーな
 「ヴェラクルス」 でしょう。
ベスト3は、すぐには思い当たらないところです。

 ゲーリー・クーパーは、
「遠い太鼓」 が想い出深く、同じように、
ラスト・シーンが良かったことで気に入った西部劇がもう一つあるのですが、題名が浮かんできません。
 50年代初期のものは、私も幼かったので、記憶が断片的になってしまうようです。
  

■ 「My Favorite Gun Fighters」


☆ 西部劇通として言わせてもらえば、
拳銃が似合う俳優は、
ゲーリー・クーパー、グレン・フォード、デール・ロバートソン、
オーディ・マーフィー、そして、ヘンリー・フォンダといったところが、すぐ思い浮びます。
 番外では、テレビ・シリーズですが、
「コルト45」の、ウエイド・プレストン。
 拳銃のセールスをしながら旅をする、実は、秘密の任務を帯びた軍人という筋立てでした。
拳銃に関するうんちくの数々・毎回出てくる早撃ちシーン・二挺拳銃のホルスターが似合うハンサムな俳優…。
 高校時代、最高に楽しみな番組でした。いつか想い出のテレビ映画や、西部劇の特集でも、と思っています。    

 ※あのグレンフォードの抜き打ちのイラストが、新宿ミラノ座の前の、恐らくゲームセンタービルの壁面に、
長いこと貼られていた事をことを、ふと思い出します。あれは間違いなく、私と同じ思いの、オーナーが、
カッコよさに惹かれて描かせたに違いありません。
  

■ 「John Wayne & James Stewart」


 ライフルが一番似合う俳優は、当然ジョン・ウエインで、
彼の場合拳銃が子供のおもちゃのように、
腰にくっついているという感じでした。
あまり大男にガンベルトは似合いません。
「OK牧場の決闘」で、ドク・ホリディの宿敵だった悪党のリンゴ・キッドを、
「駅馬車」ではジョン・ウエインが演じていました。
 彼の出世作だそうですが、これはリバイバルで何度も観ました。
 アメリカを代表する西部劇俳優で、それだけに特に大好きというわけではありませんが、
彼が居なかったらハリウッドの西部劇映画も、あのように華やかにならなかったはずです。

 ライフルと言えば、ジェームス・スチュアートの「ウインチェスター銃73」という映画を想い出します。
 他にも、「遠い国」とか沢山の西部劇にも出ていましたが、彼の場合、
理屈抜きの早撃ちヒーローとはいかないところが問題で、
やはり、「グレン・ミラー物語」や「めまい」のほうが似合います。
 後に、ジョン・ウエインとの共演で、「リバティバランスを撃った男」がありましたが、
二人は、あの映画のイメージそのまま、といったところでしょう。
         
                                                                                                        
 
■ 「 Picnic」 : 1956
☆ 話のとびついでに…、フェリシア・ファーが好きな女優である原点は、キム・ノヴァクにあります。
チョッと瞼のくぼみが似ているのです

 
〜流れ者のウイリアム・ホールデンが立っていると、魅惑的な「Moon Glow」が流れ、
いつの間に重なりながら
テーマ曲に替わっていき、フレアースカートを揺らしながら、キム・ノヴァクが現れ
〜甘いダンスシーンが展開する〜。

 「ピクニック」
 のあの時のキム・ノヴァクは、目に焼きついて忘れられない、可憐で素敵な女性でした。
 妖艶などと表現する輩もいますが、彼女を理解しない、不届きな発言といわざるを得ません。

 
「黄金の腕」 での彼女も、タイロンパワーとの 「愛情物語 でも、けなげな女性を感じさせ、
たまらない魅力に満ちています。
 ヒッチコックの 
「めまい」 は、まぶしいばかりの美しさでしたが、結末にはかなりの不満を抱いています。
…彼女は私の最も好きな女優です。
  

☆ 実は、私の好みの女優の原点の原点は、小学4〜5年生の時に観た映画、
「白昼の決闘」 のヒロインでした。 
 ジョセフ・コットンと、ヒロインと相打ちで死んでいく、憎たらしい弟役のグレゴリー・ペックは、
名前も覚えていたのですが、褐色で活動的な、整った顔立ちの彼女をその頃忘れられず、
大人になったら、あんな素敵な女性と一緒になるんだ。
〜名も知らないまま、子供ながら、心の奥で誓ったものでした。
 
 ■ 「My Ideal Woman」

 確か 
「ジェニーの肖像」 という、
わけのわからない、幻想的な映画のヒロインも
彼女だった気がしますが、この映画は、全く内容を覚えていません。

「白昼の決闘」
 がリバイバルされた時、わが愛しのお姉さんが、
実はジェニファー・ジョーンズだった事を知り、
折角ベールに覆われていた永遠の夢が、突然消えてしまって、
相当がっかりした事を憶えています。
もちろん彼女は美女ですが、
「慕情」 「武器よさらば 
の彼女が、どうしても、愛しのお姉さんと思いたくなかったものです。

 少年時代の想いいれと、そのギャップがなつかしく、チョッと気恥ずかしい想い出です。
機会があれば、西部劇映画・音楽についても書いてみようと思っています。   
                                                                                      
 

♪ 音楽に話を戻しますが、センチメンタル・ジェントルマン:トミー・ドーシー楽団の
「I 'm Getting Sentimental Over You」 は、いつ聴いても心に優しく響く名曲です。
▽ 「The Best Of Tommy Dorsey」 には、30年〜40年代の素晴らしい演奏が満載です。
 
「Maple Leaf Rag」 「Song Of India」 ♪「Marie 」 ♪「Liebestraum」 ♪「Night And Day」
 ♪
「The Lady Is A Tramp」 ♪「Chinatown,My Chinatown」 ♪「Boogie Woogie」 「Hawaiian War Chant」
 
「Milenberg Joys」 ♪「Tea For Two」 ♪「The One I Love」 ♪「Swanee River」 「Deep River」
「Yes , Indeed」「Well, Git It」「Opus No. 1」 「Summertime」
 
 オーケストラのもの、クラムベイク・セブンのもの、そしてシナトラ、ジョー・スタッフォードのヴォーカルあり、と
多彩な編集になっていて、これ一枚で十分トミー・ドーシーの魅力を堪能できます。
 中でも「Boogie Woogie」 「Opus No. 1」  には想い入れもあって特にお気に入りです。

 最近手に入れたCDではコーラス入りで、これも雰囲気があります。

 「Song Of India」 「Marie」 「Weary Blues」 「Lonesome Road」
…インストとは違った趣きがあり、
トミー・ドーシーの優しくほのぼのしたトロンボーンの味がよく出ているアルバムです。
 他のアーティストに比べてCDが少ないのですが、これで十分満足しています。
もっとも、シナトラの初期のアルバムで、彼のトロンボーンを楽しんでいるので、
少ないという感じもしないのですが…。


♪ 技巧的なベニー・グッドマンより、情熱的で、ロマンティックなクラリネットの音色故に
人気のあったといわれる、アーティ・ショウは、
「Nightmare」 「Begin The Beguin」 
「Indian Love Cole」 「Frenesi」
 「Moon Ray」 「The Carioca」 「Temptation」 とヒット曲も
沢山ありますが、我が、ザ・レイディ・デイの
「Any Old Time」 を残してくれた楽団として評価しています。

 アーティ・ショウとベニー・グッドマンの比較で言えば、グッドマンのほうが数段好きです。
アーティ・ショウは、デューク・エリントン風のアレンジが感じられて、チョッと好みではないのです。

♪ それからレス・ブラウン楽団の最大のヒット曲は
「Sentimental Journey」 ですが、
バンド・テーマ:
「Leap Frog」 この曲を聴くといつも、ディーン・マーティンと別れて、喜劇映画で活躍した、
ジェリー・ルイスを想いだします。
曲に合わせて、彼の軽妙なソロダンスが洒落ていて、自分もよく真似たものです。

ベニー・グッドマン楽団や、トミー・ドーシー楽団に在籍中、見事なトランペット・ソロを残した、
バニー・べりガンのバンド・テーマ: 
「I Can't Get Started」 は、いつまでも心に残る名曲です。


 スウィング・ジャズは、マンネリから、主役の座を、ビ・バップに譲ったというのが通説です。
ベニー・グッドマンもバップに挑戦していますが、やめておいてほしかった気がします。
 つまらなかったアルバム:
「Benny' Bop ・ 1948〜49」 好きなワーデル・グレイも参加しているのですが、
スモール・コンボでの作品は、曲に魅力がなく、オーケストラのものは、編曲に魅力がありません。

ハーモニー・リズム・メロディーが音楽の命としたら、ビ・バップには、そのどれにも魅力がありません。
技術革新は、それ自体は手段であって、目的ではないのです。
 私は、 “くつろぎ” のある音楽が好きですが、ビ・バップには、それがありません。
短命の理由も、恐らく、そのあたりだろうと思います。

  
■ 「Benny Goodman」


♪ ビッグバンド・ジャズは、時代を超えて、
私の心を癒してくれますし、今も、ベニー・グッドマン楽団の

「Down South Camp Meeting」
 を聴いています。
 最も好きな曲で、レコードがCDに変わって、昔より手軽に、
お気に入りの心地よいスィングを楽しめるのが嬉しいところです。
彼はトリオやカルテットも、当然一級品ですが、オーケストラでの演奏は、
完成された編曲と同時に、素晴らしいプレイを聴かせてくれます。

「King Poter Stomp」 「Bugle Call Rag」 「Let's Dance」 「Don't Be That Way」 「Sing Sing Sing」
 「Stompin' At The Savoy」 「Airmail Special」 「Goodbye」
 ベニー・グッドマンのヒット・ナンバーは、
数えきれないほどありますが、永く聴いていて、未だに、飽きることがありません。

 スィング・バンドのCDは、ちょっと元気が欲しい時、のんびりしたい時に最適ですし、
家族に嫌がられることはありません。
 ホレス・シルバーの 
「Filty Mcnasty」 などをガンガン聴いていると、
“ヘッド・フォンで聴いて!”などと、どこからか、非難の声があがったりしますから、
スィング・ジャズは、時代を超えて、皆に愛される音楽なんだなあと、実感します。



※ 子供の頃のスィング・ジャズは、白人のダンス・ビッグ・バンドに限られていて、
ラジオ、映画を主な情報源にしていた私にとって、エリントン、後の私の最もお気に入り楽団、
カンザス・シティ・ジャズの華:カウント・ベーシーに接するのは、高校時代以降ということになります。
 但し、アメリカのジャズの代名詞のような、デューク・エリントンの音楽は、未だに好きになれません。
そこら辺のことについては、いずれ触れたいと思います。

 「The Mole」 で始まるFEN放送の 「スィンギング・イヤーズ」 は、
私が自営をしていた頃の番組でしたから、ほとんど毎回録音し、膨大な量のテープになったものでした。
現在でも、最も完成されていて、魅力あるアメリカ音楽は、ビッグ・バンド・ジャズだと思っています。  
                                             
  

■ 「Glenn Miller」
 

♪ 白人スウィング・バンドで、
ランクづけをする事は難しいのですが、
「Little Brown Jug」
 を聴くと、ジューン・アリスンが、
夫の死を知らされて、悲しみと、想い出にひたり、
ラジオの前で佇んでいた、あのラストシーンが目に浮かび、
今でもグッとくるところから、
やはり、グレン・ミラー楽団が一番かもしれません…。

「Moonlight Serenade」 「In The Mood」 「Pennsylvania 6-5000」 「A String Pearls」 
「Chattanooga Choo Choo」

 これらの曲名を口にするだけで、50年の歳月を超えて、映画のシーンが、
昨日のようによみがえってくる、私にとっては、特別なスィング・バンドなのです。
 
 クラリネット・リードの甘美なアンサンブルはグレンミラー楽団の特徴ですが、
テックス・ベネキー、マリオン・ハットンとモダネアーズのヴォーカルがアンサンブルと一体化して、
曲の美しさをつくりあげているのも、このバンドの大きな魅力となっています。


 
ベニー・グッドマン、トミー・ドーシー、ハリー・ジェイムスは当然大好きで、
スィング・ジャズを聴こうとおもったら、先ずこの3人のアルバムを取り出しています。
 また、いずれ詳しく触れたいと思っている、カウント・ベーシー楽団は、白人スィング・バンドとは
一線を画して、私なりにカンザス・シティ・ジャズというスタイルにこだわって、
最も気に入ったビッグ・バンドとして今でもよく聴いています。

  
■ 「Swing Jazz」



 渋谷や横浜のHMV、タワー・レコードを、
時々覗くのを楽しみにしているのですが、最近、

「Best Of Swing」
 という3枚組のCDを購入しました。
 スィング全盛期のアーティストの作品を網羅した、
このオムニバス・アルバムが、
な、なんと、1100円でした。
嬉しいというより、呆れかえってしまったというのが、本当の気持ちです。

 急ぎ帰宅して、聴いてみました。ビッグ・バンド全盛期の演奏が、68曲も収められており、
しかも代表的なナンバーを外していないのです。
 それに、ドリス・デイ、アニタ・オディ、ヘレン・フォレスト、マリオン・ハットン、ペギー・リー、
エラ・フィッツジェラルド、ジューン・クリスティ、などビッグ・バンド・ヴォーカリストも溌剌とした歌を
聴かせてくれているのです。…、感動しました。

 演奏が、ステレオの無い時代ですし、FEN放送を楽しんでいた時は、もっと劣悪な環境でしたから、
録音状態など全く気になりません。これで、手持ちの録音テープをかなり処分できます。
しかし、これを聴いて、新たに購入したいアルバムも、いくつか発見しました。
 オムニバス・アルバムは、適度な変化があるので、流して聴いているのに最高です。

 気に入ったものを安く買えるのは嬉しいのですが、どこの店も、若者向きのCD売場の拡充によって、
昔の音楽の陳列スペースが少なくなることが気がかりです。
坪効率を考え、今後はネット注文で、という事かもしれませんが、
売場をのぞく事が楽しみの私としては淋しい傾向です。

 同時に、我が家の子供達を見ても、CDは消耗品で、雑誌のような、お手軽なメディアになっています。
便利さゆえに、何か大切な“コト”を見落としているのではないか、と少し心配です。

私が音楽によって得た山ほどの宝物を、是非、彼らも手に入れてもらいたいものです。

   ■ 「Come Swing With Me」

 次回は、スタンダードの誕生あたりをテーマに……。



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