〜「50年代の洋楽は、今聴いても新鮮ですね」 1 〜

 
そんな題名で、約2年ほど、
あるサイトの掲示板でトピ主を経験しました。

年令的にも近い誠実な方々に囲まれて、
当時おぼろげだった数々の音楽や、
すっかり忘れていた曲など、沢山教えて頂きましたが、見ず知らずの方々にもかかわらず、
同じ時代を共有したということで仲間意識が生まれてきて、
楽しい会話に花が咲き、至福の時を過ごすことができたことが、何よりの収穫でした。

 今度はトピ主ではなく、他の方のトピへ訪ねてみようかな、などと漠然と考えています。
 
 2年間で、皆さんに教えて頂いた外国のサイトや、
お手持ちの音源から、驚くほど沢山の音楽を聴くことができました。

50年代のポピュラー・ミュージック:300曲が聴けるサイト、
ほとんどのカントリー・ソングが聴けるサイト、
ジャズの巨匠たちの音楽が聴き放題のサイト…
他にも、タンゴやラテン音楽、カンツォーネ、シャンソン、ハワイアン、
そしてクラシックまで、お友達から頂いた曲を含めると、
正に膨大な量の音楽をジャンルを超えて聴くことができて、
これも掲示板のおかげとつくづく感謝しています。

 残念ながら、パソコンがクラッシュしてしまい、随分無くしてしまいましたが、
いくつかの音源はCDRにとっておいたので、最悪は免れました。

 著作権など、昔と違って煩い約束事が多くなっているようですが、
中学・高校時代に出入り禁止だった映画館や喫茶店に潜り込み、密やかな楽しみを味わったのと、
チョッと感じが似ていて個人の趣味の世界のことだけに許される範囲だと思うのですが、
グレン・ミラーさんやジョー・スタッフォードさんに実害が及んでいるなら、ゴメンナサイといわざるを得ません。
 音楽の裾野を広げる宣伝にこそなれ、妨害にはなっていないはずですし、
私自身も音楽の話題が盛んであればあるほど、CDショップへ通う回数が増えているというのに〜。
 随分セコイ話だなと思うのですが、法律となると守らなければいけません…ね!。


 このページでは、アメリカン・トップ・30  アマリア・ロドリゲス、シルバーナ・マンガーノ 
 40年のヒット曲などについて、トピの話題を思い返してみます。

■ 「I Love Lucy」


 外国のサイトをどう規制するのかわかりませんが、
そんなお宝サイトから頂いた、
50年代のアメリカン・トップ・ヒット:30
主なものだけ書き出してみました。

☆ 1950年
「AndrewsSisters : I Wanna Be Loved」 「Billy Eckstine : My Foolish Heart
「Bing And Gary Crosby
: Simple Melody」「Gordon Jenkins and Weavers : Goodnight Irene
「Gordon Jenkins
: Bewitched」 「Gordon Jenkins : My Foolish Heart
「Guy Lombardo :
Third Man Theme」 「Nat King Cole : Monalisa」 「Patti Page : Tennessee Waltz
「Red Foley
: Chatanoogie Shoe Shine Boy」 「Sammy Kaye : Harbor Lights」 「Teresa Brewer : Music
 
  
■ 「Teresa Brewer」

 この頃はまだ、オシャレなリクエスト番組は無かったはずですが、
キング・コールの
♪「モナ・リザ」
パティ・ペイジの
♪「テネシー・ワルツ」 が何と言っても最高のヒットですし、
今では誰でも知っているスタンダード・ナンバーになりました。
 我が家にガイ・ロンバードやサミー・ケイのレコードがなぜかあって、
そのスィートな音楽を無意識に聴いていたようです。
意識して好きになったのはグレン・ミラーからでしたが…。


 1951年
Dinah Shore : Sweet Violets」 「Les Paul Mary Ford : The World Is Waiting For The Sunrise
「Les Paul Mary Ford :
How High The Moon」 「Les Paul Mary Ford : Mockin Bird Hill
「Nat Cole :
Too Young」「Patti Page : Mockin Bird Hill」 「Patti Page : Would I Love You
「Perry Como :
If」 「Rosemary Clooney : Come On A My House」 「Tony Bennett : Because Of You
「Tony Bennett :
Cold Cold Heart」「Tony Martin : I Get Ideas

  
■ 「Dinah Shore & Patti Page」


 レス・ポールとメリー・フォードの
♪ 「世界は日の出を待っている」
は、
想い出深い曲ですし、
ローズマリー・クルーニーの
♪「家へおいでよ」 は、
日本でもすぐ江利・チエミが歌っていました。
 当時、外国のヒット曲は翌日には
もう日本人が歌っているといった状態で、洋楽に飢えていた時代でした。
それまで一般の人たちが洋楽なんて聴いたことが無かったので、当然と言えば当然の話です。


☆ 1952年
「Doris Day : A Guy Is A Guy」 「Eddie Fisher : Any Time」 「Frankie Lane : High Noon
「Georgia Gibbs
: Kiss Of Fire」 「Johnnie Ray : Cry」 「Johnny Ray : Walking My Baby Back Home
「Jo Stafford
:J ambalaya」 「Jo Stafford : You Belong To Me」 「Patti Page : I Went To Your Wedding
「Pee Wee King
: Slow Poke」 「Percy Faith : Delicado」 「Rosemary Clooney : Half As Much

 
■ 「Doris Day & Jo Stafford」 
 この年あたりからのヒット曲が特に印象深いのが、
なぜかは解りませんが、息の長い曲ばかりですから、
私がこの年に聴いたのかどうかは定かではありません。
映画:「真昼の決闘」の主題歌
♪「ハイ・ヌーン」
ジョージア・ギブスの
「キッス・オフ・ファイアー」
特にヒットした曲でした。
 ドリス・デイ、ジョー・スタッフォード、パティ・ペイジ、ローズマリー・クルーニー、ダイナ・ショア〜、
この頃のポピュラー・シンガーが、60年代以降の顔ぶれと全然違うことがよく解ります。
但し、エラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンは、50年代にも活躍していたのに
ヒット・チャートに全然入っていないのは、人種差別のせいだと思いますし、
彼女達が活躍できる場というのもまだまだ限られていたはずです。
 エラの
♪「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」 など、どこで聴きなじんだのかよくわかりません。
 
■ 「Highway Patrol」
 1953年
「Ames Brothers : You You You」 「Eartha Kitt : Cest Si Bon
「Eddie Fisher :
I m' Walking Behind You」「Frank Chacksfield : Ebb Tide
「Frank Chacksfield :
Limelight」 「Joni James : Why Don't You Believe Me
「Joni James :
Your Cheatin Heart」 「June Valli : Crying In The Chapel
「Les Baxter :
April In Portugal」 「Les Pauland Mary Ford : Vaya Con Dios」 「Nat King Cole : Pretend
「Perry Como :
No Other Love」 「Ray Anthony : Dragnet」 「Silvana Mangano : Anna
 
■ 「Joni James」

 
アーサー・キットの ♪「セ・シボン」 があります。
彼女は随分人気が高く、
♪「ショージョージ」なんて、
日本語とも外国語ともつかない変な歌も歌っていました。
彼女とシュー・プリームスのダイアナ・ロスはなぜか苦手でした。
彼女達が黒人なのになぜ人気になったのか、チョッと不思議です。
後にビリー・ホリディの役をやったダイアナですが、肝心のビリーの歌を、
私は50年代に聴いた憶えがありません。
 ジョニ・ジェイムスの
♪「偽りの心」 がヒットしています。彼女の綺麗な顔の写った
「ジョニ・ジェイムス/ハンク・ウイリアムスを歌う」 というLPで、ハンクの歌を覚えたものでした。

  
☆ 1954年
「Bill Haley : Shake Rattle And Roll」 「Dean Martin : That's Amore」 「Doris Day : Secret Love
「Eddie Fisher
: I Need You Now」 「Eddie Fisher : Oh My Papa」 「Four Aces : Stranger In Paradise
「Four Aces
: Three Coins In A Fountain」 「Frank Sinatra : Young At Heart」 「Jo Stafford : Make Love To Me
「Kitty Allen
: In The Chapel In The Moonlight」 「Patti Page : Changing Partners
「Perry Como
: Papa Loves Mambo
「Rosemary Clooney : Hey There
  
■ 「Rosemary Clouney」


 エディ・フィッシャーが、当時凄く人気でしたが、
デビーのことがあって私は嫌いでした。
あんな時代でも離婚などのゴシップ記事の影響力は
相当なものだったなあ、とビックリしてしまいます。
 ペリー・コモの
♪「パパはマンボがお好き」
エディ・フィッシャーの
♪「オー・マイ・パパ」
どちらも家庭的な雰囲気をもった歌手だっただけに、ゴシップはご法度だったはずです。
 ローズマリー・クルーニーは、 
♪「カモナ・マイ・ハウス」 ♪「マンボ・イタリアーノ」 のほうが 
♪「ヘイ・ゼア」 よりずっと素人受けするヒット曲で、日本の歌手も歌っていたものでした。
 フランク・シナトラは
♪「ヤング・アット・ハート」 より、断然
♪「国境の南」
のほうがポピュラーだったはずですが、
もしかしたらヒット・チャートではなくて、S盤とかL盤で聴いたのかもしれません。このランキングと、
私がリアル・タイムで聴いたラジオでのヒット・ソングとは、必ずしも合致しないようです。


☆ 1955年
「Al Hibbler : Unchained Melody」 「Ames Brothers : Naughty Lady From Shady Lane
「Bill Haley
: Rock Around The Clock」 「Chordettes : Mr Sandman」 「Four Aces : Love Is A Many Splendored Thing
「Frank Sinatra
: Learnin' The Blues」 「Georgia Gibbs : Dance with Me Henry」 「Georgia Gibbs : Tweedlee Dee
「Les Baxter
: Unchained Melody」 「McGuire Sisters : Sincerely」 「Mitch Miller : The Yellow Rose Of Texas
「Pat Boone
: Ain't That A Shame」 「Perez Prado : Cherry Pink And Apple Blossom White
「Tennessee Ernie Ford
: Sixteen Tons」 「Tennesse Ernie Ford : Ballad Of Davy Crockett」 「The Platters : Only You

  
■ 「Georgia Gibbs」


 
映画:「暴力教室」でのビル・ヘイリーの歌が、
ロックン・ロールの日本初お目見えでしたが、
翌年のプレスリーのインパクトにはかなわなかったものです。
映画もうろ覚えですが、グレン・フォードの先生にタテをつく悪がきが、
「コンバット」 のビック・モロー、まともな黒人の生徒が、シドニー・ポワチエでした。
 「理由なき反抗」 といい、この映画といい、アメリカってスゲーところだな、
と当時の日本では考えられない子供達の行動にビックリしたものでした。

 ペレス・プラドの
♪「セレソ・ローサ」 も映画:「海底の黄金」の主題曲でしたが、
ハリウッド映画に使われるということは、当時としては大変な栄誉だったはずで、
この曲が大ブレイクしたおかげでマンボ・ブームが日本中に起こり、その後、彼は何度も来日公演をしていたはずです。
 この年では特に、マクガイア・シスターズの
♪「シンシアリー」 が大好きでした。
 テネシー・アーニーフォードの
♪「16トン」 ♪「デイビー・クロケット」 を小阪一也が歌って、日本では
こちらのほうがヒットしたのかもしれません。
 私はなんと言ってもアメリカかぶれでしたから、日本語の歌はゴメンナサイでした。

 
■ 「Lone Ranger」


★ 1956年
「Bill Doggett : Honky Tonk」 「Carl Perkins : Blue Suade Shoes
「Doris Day
: Que Sera Sera」 「Hugo Winterhalter : Canadian Sunset
「Elvis Presley
: Dont Be Cruel」 「Elvis Presley : Heartbreak Hotel
「Elvis Presley
: Hound Dog」 「Elvis Presley : I Want You I Need You I Love You
「Elvis Presley
: Love Me Tender」「Fats Domino : I'm In Love Again
「Gogi Grant
: Wayward Wind」 「Jim Lowe : Green Door」 「Johnnie Ray : Just Walking In The Rain
「Kay Star
: Rockn' Roll Waltz」 「Mirros Stoloff : Moonglow And Theme From Picnic
「Nelson Riddle
: Lisbon Antigua」 「Tennessee Ernie Ford : Sixteen Tons」 「The Platters : My Prayer
「The Platters
: The Great Pretender

  
■ 「Gogi Grant」


 我がプレスリーの登場です。
♪「ハート・ブレイク・ホテル」
は自分で買った初めてのレコードでした。
 現在、手持ちのCDを私好みの曲ばかりに集約して、
1枚のCDで楽しんでいます。当然この年のヒット曲が中心で、
アップ・テンポのものからロッカ・バラードまで懐かしい曲ばかりです。
 ♪
「好きにならずにいられない は60年代初めのヒット曲ですが、
プレスリーのコンサートなどを観るかぎり、これがラスト・ナンバーで使われていたようです。
彼が発表した曲はもっと沢山ありますが、私が社会人になってからはプレスリーを積極的に
聴くことはなかったので知らないものも多く、また知っていても強い想い入れはありません。

 ゴーギー・グラント、ジョニー・レイ、ケイ・スター、プラターズ…忘れられないアーティストばかりです。

 ♪「ホンキー・トンク」
、このブルース・フィーリングが、ハンク・ウイリアムスを好きになった理由です。
 映画からは
 ♪「ケ・セラ・セラ」 
♪「ピクニック」 、このリストにはありませんが、ジョー・スタッフォードの
♪「霧のロンドン・ブリッジ」 をラジオで聴いたのもこの年のはずです。…ともかく、私にとって特別な年でした。
 
■ 「My Original Selection」

 S盤アワーとかL盤アワーについてのサイトも教えていただいたのですが、
消えてしまいました。
これだけ好き勝手書いているのに、サイトの検索ということを、
ほとんどしないというぐうたらで、あやふやな記憶だけがたよりという私ですが、
むしろそのせいで皆さんが色々教えてくださったのかな、
と例によって自分に都合の良いように考えています。

  
★ 1957年
「Chuck Berry : School Day」 「Debbie Reynolds : Tammy」 「Diamonds : Little Darlin'
「Elvis Presley :
I'm All Shook Up」 「Elvis Presley : Jailhouse Rock」 「Elvis Presley : Teddy Bear
「Elvis Presley
: Too Much」 「Everly Brothers : Bye Bye Love」 「Ferlin Husky : Gone」 「Gale Storm : Dark Moon
「Guy Mitchell
: Singing The Blues」 「Jerry Lee Lewis : Whole Lotta Shakin' Goin On
「Marty Robbins
: A White Sport Coat」 「Pat Boone : Love Letters In The Sand
「Paul Anka
: You Are My Destiny」 「Paul Anka : Diana」 「Ricky Nelson : A Teenagers Romance
「Sonny James
: Young Love」 「Tarriers : The Banana Boat Song」 「The Crickets : That'll Be The Day

   
■ 「Debbie Reynolds & Gale Storm」


 
デビー・レイノルズは可愛らしい顔立ちと優しい声で、
忘れられない女優であり歌手でしたし、
ゲール・ストームの
♪「ダーク・ムーン」
上品な歌声で大好きでした。
 プレスリー、パット・ブーン、ポール・アンカ、リッキー・ネルソン…、
いよいよポピュラー界が変わってきた頃ですが、ソニー・ジェームス、マーティ・ロビンス、
ファーリン・ハスキーとカントリーの大御所になる連中を知ったのも、
当時はラジオのポピュラー・ヒット番組でした。

 今ラジオから流れてくる、ロックだかカントリーだか解らない、
ただうるさいだけの音楽に比べて、この頃のカントリー・ソングがいかに心地よいものだったか〜、
アメリカ音楽の世界もすっかり変わってしまったようで淋しい限りです。
 当時は“ウエスターン”音楽として日本でも大いに流行っていたのですが、
我がプレスリーを旗頭にした“ロカビリー”が大ブレイクするにおよんで、
いつの間にか埋没してしまったようです。
ウエスタンをやっていたいくつかのグループが、テレビの普及と共に、
コミカル・バンドに変身していったものでした。

 
■ 「Sea Hunt」


★ 1958年
「Billy Vaughn : Silvery Moon」 「Champs : Tequila
「Chuck Berry
: Sweet Little Sixteen」「Cozy Cole : Topsy Parts1and2
「Dean Martin
: Return to Me」 「Domenico Modugno : Volare
「Elvis Presley
: Don't」 「Elvis Presley : Wear My Ring Around Your Neck」 「Kingston Trio : Tom Dooley
「McGuire Sisters
: Sugartime」 「Perez Prado : Patricia」 「Perry Como : Catch A Falling Star
「Platters
: Twilight Time」 「Ricky Nelson : Poor Little Fool」 「Ricky Nelson : StoodUp


 
ビリー・ヴォーンのこの曲が ♪「波路はるかに」 だとは、聴いてみるまで解りませんでした。
これはオシャレなな曲名ですが、プレスリーの曲などでは、理解不能の邦題のものが結構あります。
♪「テキーラ」 ♪「パトリシア」 なども随分流行り、キング・コールのラテンのヒット・ナンバー
♪「キサス・キサス・キサス」 ♪「テキエロ・デ・ヒステ」
も含め、
喫茶店やスナックでは、ラテンの曲がよく流れていました。
 (スナックという呼び方は、もっと後の事で、当時は小さなカクテル・バーが、
田舎にも沢山あったものでした。)

 この年か翌年にトリオ・ロス・パンチョスが来日して、一段とラテン・ブームに拍車がかかったものです。
高校生だった私は、田舎の公会堂にギッシリ集まった聴衆の後ろのほうで、
彼らの心地よい音楽を聴いたのですが、よく通る美しいヴォーカリストの名前が、
アルビーノということを掲示板で教えていただきました。
 トリオ・ロス・パンチョスやロス・トレス・ディアマンテスはじめ、ラテン音楽について、
かなり詳しい方が多くてビックリしました。


★ 1959年
「Bobby Darin : Mack The Knife」 「Connie Francis : Lipstick On Your Collar
「Dodie Stevens
: Pink Shoelaces」 「Elvis Presley : A Big Hunk O'Love
「Johnny Horton
: Battle Of New Orleans」 「Lloyd Price : Personality
「Paul Anka
: PutYour Head On My Shoulder」 「Platters : Smoke Gets In Your Eyes
「The Browns
: The Three Bells」 「Wilbert Harrison : KansasCity
  
■ 「Connie Francis」

 そろそろ、私がポピュラー番組から
足を洗う年になっていたんだなあ、そんな感じのするヒット曲ばかりです。
翌年上京し、今度は雑音の無いラジオで、
ラジ関の「ポート・ジョッキー」 を楽しむようになっていったものでした。
 若者のポップ曲より、落ち着いたスタンダード・ナンバーが聴ける、雰囲気のある番組でした。
とは言え、レイ・チャールズの出現は、プレスリー以来の衝撃を受けたものでした。
 ブルース歌手からソウル歌手へ(=抑圧から開放へ)〜、新しい時代の到来を告げるにふさわしい
アーティストでした。

 
■ 「Perry Mason」


 
これでも全部ではないのですが、ともかく昔ラジオに耳を寄せて
雑音の中から聴いた、懐かしい曲ばかりです。
 
 書き出してみると、50年代はジャンルに関係なく、
いろんな音楽が楽しめた良き時代だったことがわかります。
今ごろCDショップへ行くと、カテゴリー別に気の遠くなるほど沢山の曲があって、
どれを聴いたらよいのか解らない有様です。
 昔は音楽の絶対量も少なく、そして一曲の寿命も随分長いものでした。

 映画主題曲、ジャズ系ヴォーカル、ラテン音楽、など大人が対象だったポピュラー音楽が、
56年のプレスリー出現あたりから、だんだん様変わりしていったこともよくわかります。
60年代以降ポピュラー・ミュージックといったら、主に若者音楽を指すようになり、
やや偏った音楽しか一般には聴けなくなりましたから、映画同様、50年代が音楽にとっても、
黄金の時代だったのだろうなあ、と実感しています。

 掲示板にワールド・ミュージックなんていうカテゴリーがあって、ビックリしたものです。
それにジャズだけが別な扱いになっていることも…。
 音楽をカテゴリー別に聴くなんてことを経験していませんからチョッと異常な感じがしますが、
音楽の絶対量が増えたことで、どうしてもマニアックな方向へいってしまうのは、
60年代以降の世界の変化を考えると理解できるような気もしています。
 
■ 「77 Sunset Strip」

 50年代のヒット曲は、
どれを聴いても瞬時にして田舎時代の生活がよみがえる、
というのがなんとも不思議ですが、
音楽を通じて、昔の想い出話に花を咲かせたいと
願って始めた掲示板から、まさかこんな嬉しいプレゼントを頂けるとは思いもよらなかっただけに、
喜びもひとしおです。
 アメリカの歴代テレビ番組のサイトも 紹介して頂きましたが、
懐かしいテーマ音楽が聴ける優れもので、
「ペリー・メイスン」 「ドラグネット」 「ローハイド」 
「77 サンセット・ストリップ」
チョッと後の 「ピーター・ガン」
音楽的にも素晴らしいこれらの番組は、私のお気に入りでした。

 掲示板の文章をコピーでもしておけばよかったのですが相当の量でしたし、
そもそも、音楽の名を借りて楽しいおしゃべりを、というのが趣旨でしたから、
記録しようなんて気にならなかったものです。
…その時の話題を思い出しながら、また気ままなタイム・トラベルも良いかも知れません。
  ■ 「Western TV」


 ★☆★☆ 
♪♪ 「暗い艀」とアマリア・ロドリゲスのこと。
  
■ 「Amalia Rodrigues」


フランス映画:「過去を持つ愛情」の主題曲でしたが、
それも最近知った有様で、ともかくこの曲のイメージだけ鮮明に残っていて、
長い間気になっていました。

 これも掲示板で、ファドについて親切にいろいろ教えていただき、彼女のCDを買うことになりました。
彼女がポルトガルでは、超有名なアーティストだということも、むしろ他に良い曲や、
見事な歌唱力が発揮されている曲があり、どうりで、私が50年もの長い間、
忘れられない歌声だったか納得できた気がしています。

♪「暗い艀」 を再び聴いた時は、大いに感動したものです。
じっくり聴いたのは恐らく50年ぶりですから〜。
♪「神様」…この曲も、映画のタイトルバックに使われたようですが、なぜか記憶にありません。
♪「懐かしのリスボン」 ♪「コインブラ」…これはもうすっかりポピュラー・ナンバーですが、
彼女が歌うと違った印象になります。
♪「私の秘密」 ♪「ポルトガルの詩」 ♪「川辺の民」…切々と歌い上げる彼女の情感たっぷりで、
美しい歌声に満足すると同時に、よい歌には、ジャンルなど関係ないことを改めて教えてくれます。
他も、心を揺さぶられるような素晴らしい歌ばかりです。

 「過去を持つ愛情」のヒロインは、私のお気に入り、フランソワーズ・アルヌールだったようですが、
それすら憶えていなかったのは、子供の私には理解不能な大人のストーリーだったせいでしょう。
ネットのお友達は、“波止場で、ダニエル・ジュランとアルヌールの別れが切なかった。
”とおっしゃっていましたが、チョッとの年令の差だけでこうも受け取り方が違うのですから…、不思議です。

 フランス映画をほとんど嫌いだったのも、恐らくそんなところに原因があったのだろうと思っていますが、
少年時代からチッとも成長しないで、いまだに娯楽映画しか観たくないというのも、
実は大きな問題なのでしょう…今更どうしようもありませんが。

 映画の内容はぜんぜん憶えていないのに、曲だけは今でも鮮明というのは、
他にもいくつかありますが、それだけ音楽というものが、心に強く訴えかける力をもっているということでしょう。
 全く蛇足ですが、CDを買ったおかげで、
おなじみのパン屋さんに
「プリマベーラ」 というお店がありますが、
彼女の歌で、この言葉の意味が
「春」だと言うことを知りました。
どんな意味なんだろうと気になっていたのですが、変なところで謎が解けました。ポルトガル語なんて、
サンバ好きか、サッカー・ファンじゃないと、めったにお目にかかれないものです。

お友達に、他のファドの歌手についても薦められたのですが、あまり気乗りがしません。
最初に知った歌手が、ナンバー・ワンだと知った後ではなおのこと〜。


  ★☆★☆
♪♪ 「アンナ」とバイオンのこと。
 

■ 「Silvana Mangano」


サンバで想い出すのは、同じブラジルのリズム、バイオンです。
♪「アンナ」…心地よいバイオンのリズムのこの曲を、
昔確かイタリア映画で聴いたはずだと、
あやふやな記憶のまま、ずっと気になっていました。

 最近これが、シルバーナ・マンガーノの主演した映画:「アンナ」の主題歌だと知りました。
嬉しいことに、「1953年のポピュラー・ヒット/30」にこれがあって、ようやく再会できました。
 太鼓、ギター、男性コーラスの素朴な雰囲気の中、さりげなく彼女が歌っているのですが、
さして上手でもないのに心に響いたのは、恐らく映画の中のイメージも僅かに残っていたのでしょう。
これも、掲示板のおかげと思っています。

 彼女はイタリアを代表する女優で、「にがい米」 という映画も観た憶えがありますが、
なんと言っても忘れられない映画は、「ユリシーズ」です。
 最近、ブラッド・ビットで「トロイ」が上映されましたが、はるか昔、
同じ題材の映画で数段面白いものがあったのです。

 ユリシーズが、トロイから凱旋帰国するまでの船旅〜、
一つ目小僧が出てきたり・悪党が出たり・美しいお姫様にクラッときたり、
ともかく子供にもわかる、冒険活劇ストーリーでした。
彼の帰りをひたすら待ち望んでいた王妃の役、それがシルバーナ・マンガーノでした。

 ユリシーズの帰りが遅すぎて、なぜか新しい旦那を選ぶ羽目になり、
ユリシーズの弓をひけた男と結婚する、と約束してしまったから大変、
国中から屈強の男が結婚目指してしのぎをけずるのですが、
その中でも最強の候補がアンソニー・クインでした。
 結局彼にもひけなくて、やいのやいのと難癖をつけられ、いよいよ彼女もテンパッたその時、
身なりの粗末な男性が突然現れ、その弓を軽々とひいてみせたのです。
それが誰あろう、旦那のユリシーズだったという、なんとも痛快なクライマックスと
ハッピー・エンド・ストーリーは、50年経った今でも、鮮明に憶えています。
 イタリア映画では、これが後にも先にも一番面白かったような気がしています。

 

■ 「Ulysses」


 後に、若いお姫様役のロッサナ・ポデスタが、
「トロイのヘレン」で、悲劇のヒロイン役をやったり、
「黄金の七人」シリーズで、妖艶なところを見せますが、
若い頃の彼女は本当に美しく、魅力的でした。

 「ユリシーズ」の主演がカーク・ダグラスというのがイマイチピンときませんが、
彼は、後にアンソニー・クインと、西部劇でも対決しています。
 彼の映画も、昔のものはほとんど観ていますが、「ガン・ファイター」と「逢う時はいつも他人」の
2本が特に印象を悪くした映画として忘れられません。

 西部劇のほうは、実の娘と恋仲になってしまい、最後は決闘の時に、
自分の拳銃の弾を抜いておいて、わざと撃たれてしまうという、
およそ正統派西部劇にあるまじきストーリーでしたし、
「逢う時はいつも他人」では、我が愛しのキム・ノヴァクと不倫をし、
挙句の果て勝手に妻子のもとへ帰っていく、と、これもまことに身勝手な役どころでした。
 「ガンヒルの決闘」「OK牧場の決闘」…私好みの西部劇も、中にはありますが〜。

 「チャンピオン」「ユリシーズ」「スパルタカス」「バイキング」など、マッチョ役が多かったのは、
彼が売れないころ格闘技で食っていたから〜、と
昔聞いたことがありますから適役だったのかもしれません。
 私は単純に、あのしかつめらしい顔立ちが苦手というだけで、演技力には関係ありません。
「炎の人ゴッホ」…彼のイメージにピッタリという役でした。

 音楽の話から、どうしても映画のほうへ話が行ってしまいますが…、
これも仕方ないかな、と思っています。

 とってつけたような話ですが、同じバイオンのリズムでは、
52年のヒット・ナンバー、パーシー・フェイスの
♪「デリカード」 のほうが、
数段音楽的には優れていますが、これも今、好きな時に聴けるのは幸せな事です。


 ★☆★☆
 ♪♪ 1940年のポピュラー・ミュージック
 
 リアル・タイムの音楽を楽しんでいるうちに、
それ以前の世界・生まれる前の音楽なども知りたくなるものです。
ディキシー、スィング、モダンなどのジャズを子供の頃から
聴きなじんでいましたから、そのルーツを手繰り寄せるのは、
それほど難しいことではありませんでしたが、
最近一枚のCDを買って、生まれるチョッと前の世界に、一層親近感をおぼえたような気がします。

 「Hits Of 1940」というCDですが、店で偶然見つけた超お買い得のもので、
以前、掲示板でも紹介しました。
ライナーには、この年の世界情勢やアメリカ社会の様子なども書いてあって、なかなかのものです。

1939 :ナチス・ドイツの欧州侵攻から、第2次世界大戦勃発。
1940 :日独伊3国同盟締結。伊、英・仏に宣戦布告。独軍、パリに無血入城。
1941 :真珠湾攻撃・アメリカ参戦、太平洋戦争開始。
1944 :連合軍、ノルマンディー上陸。
1945 :広島に原爆投下・日本ポツダム宣言受諾。独軍、連合軍に無条件降伏。
この年の前後の出来事ですが、迫りくる参戦の準備をしていたアメリカにあって、
嫌でもそれに巻き込まれていく国民が、当時いかに不安な毎日を過ごしていたか想像に難くありません。


 このアルバムのサブ・タイトルになっている、
♪「I'll Never Smile Again」 は、
戦争中ずっと国民の心情を代弁した曲として、ヒットし続けたと書いてあります。
 当事国であった日本人の私が、そんな歴史的背景などに関係なく、
この曲に、心地よい響きを憶えるというのも、何となく不思議な気がします。
 音楽を理屈で聴くことはありませんから、それを知ったからどうってことはありませんが、
私の生まれる前のアメリカの社会を垣間見た感じがして、この曲に、より一層の親しみが湧いてきます。
 
■ 「The Outlaw」


ついでに言えば、そんなアメリカで39年に
「駅馬車」 「風と共に去りぬ」 などが作られているようですから、
当時のアメリカの懐の広さがうかがえるというものです。
 先日観た映画:
「アビエーター」の主人公:
ハワード・ヒューズのプロデュースした
「ならず者」…、確か43年制作と言っていたような〜。

 私がこれを観たのは、50年代初めでしたが、今でも、ジェーン・ラッセルの、
はだけた胸が気になりますから、あんな映画がいくら自由の国アメリカといえど、
映倫にひっかかったのは当然、という気がしています。
なんと言っても戦争中のことですから〜。
 ヒューズが、映倫の査問会に呼び出されてお灸をすえられるシーン…。
彼は、他の人気女優のバストのアップ写真を何枚も並べて、ジェーン・ラッセルの胸出しが
特別嫌らしいものではないことを力説していましたが、
気難しい彼が一生懸命弁解している姿は妙に滑稽で、私も昔ドキッとしただけに、
面白く、興味深いエピソードでした。


 40年と言えば、スィング・ジャズの全盛期でしたから、
このアルバムには有名どころが名を連ねています。
また、我がフランク・シナトラが、ハリー・ジェームス楽団から、トミー・ドーシー楽団へ移籍し、
ヒットを飛ばした年のようです。
ビング・クロスビーからシナトラへ、また、ビッグ・バンドから、
ソロ・シンガーの時代への転換期が目前と言う、微妙な年だった様子がうかがえます。
 
■ 「Hits of 1940」


 「Hits Of 1940」
「Frenesi」: Artie Shaw & His Orchestra
「Polka Dots And Moonbeams」: Tommy Dorsey &
His Orche. ; Frank Sinatra,Vocal
「Ferryboat Serenade」: The Andrews Sisters
「Trade Winds」: Bing Crosby with Dick Mclntyre & His Harmony Hawaiians
「Make Believe Island」: Mitchell Ayres & His Fashions-Music, ; Mary Ann Mercer,Vocal
「Friendship」: Kay Kyser & His Orchestra ; G.Sims,H.Babbitt,J.Martin.I.Kabibble,Vocal
「Imagination」: Glenn Miller & His Orch. ; Ray Eberle.Vocal
「Maybe」: The Ink Spots
「When You Wish Upon A Star」: Cliff Edwards & the Ken Darby Singers ; Victor Young's Orche.
「Darn That Dream」: Benny Goodman & His Orch.; Mildred Bailey,Vocal
「The Breeze And I」: Jimmy Dorsey & His Orch. ; Bob Eberly,Vocal
「I'm Stepping Out With A Memory Tonight」: Kate Smith With Jack Miller & His Orch.
「Only Forever」: Bing Crosby with John Scott Trotter & His Orch.
「Tuxedo Junction」: Glenn Miller & His Orch.
「Careless」: Dick Jurgen & His Orch. : Eddy Howard,Vocal
「I'll Never Smile Again」: Tommy Dorsey & His Orch.; Frank Sinatra & The Pied Pipers,Vocal
「Woodpecker Song」: The Andrews Sisters with Vic Schoen & His Orch.
「When The Swallows Come Back To Capistrano」: The Ink Spots
「Fools Rush In」: Tony Martin with Ray Sinatra & His Orch.
「Beat Me Daddy, Eight To The Bar」: Will Bradley & His Orch. featuring Ray MacKinley


 不安定な世相を反映して、現実逃避願望から、ディズニーの夢の世界、ハワイアン、ラテンと、
バラエティにとんだヒット曲が、この年の特徴…、とライナーに書かれています。
知らないアーティストが2〜3人いますが、他は今でもおなじみの顔ぶれ・曲ばかりで、嬉しい限りです。

 ビッグ・バンドの人気度を、ベスト・セラー・レコードの数で比較もしているのですが、
この年、グレン・ミラーがダントツの45枚、次にトミー・ドーシーの22枚、ベニー・グッドマンが11枚、
ジミー・ドーシーが8枚、アーティ・ショウに至ってはたったの4枚ということです。
 グッドマンから始まったスィング・ジャズも、グレン・ミラーに人気が移り、
そして、彼が戦争末期にドーバー海峡で消息を絶った、44年をもってスィング全盛も終焉を迎える、
と一般的には言われています。

 
これらのヒット曲は、戦後どっと日本に流れ込んできたのでしょうが、
私の場合は、
「グレンミラー物語」 をきっかけにして洋楽に目覚め、
シナトラの
「国境の南」で彼が好きになった、というわけです。
  
■ 「Frank Sinatra」


 40年代のシナトラの歌は、
あまりにもリアル・タイムで聴いた声と比べてまだ青臭く、
長い間好きではなかったのですが、
このCDやトミー・ドーシー楽団当時のCDを手元において
何度も聴き続けているうちに、今ごろになって、まんざらでもなく思えるようになりました。
 音楽の不思議なところで、大抵のものは、聴き込んでいるうちに徐々に親しみが湧いてくるものです。


 40年のヒット曲といっても、一般の日本人がこれらの曲を初めて聴いたのは、
私同様戦後になってからだと思いますから、あまり厳密に年代を限定すること自体
ナンセンスなのかもしれません。


         
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 50年代の洋楽は今聴いても新鮮ですね @
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