〜つれづれなるままに日ぐらしパソコンに向ひて、〜

  画像が多くやや重くなってきたので、ページを改めて続ける事にしました。

其の1:この年でタンゴ通になる、の巻 
其の2:懐かしの音楽番組あれこれ 
其の3:其の頃のレコード 
其の4:今の音楽番組あれこれ 
其の5:エルヴィスのアルバム2枚。
 
 
 HPを公開し、大手サイトの運営する掲示板に参加してから、もう随分年月が経ちました。
会社勤めから開放されて、時間を持て余すどころか、むしろ充実した日々を過ごしてこれたのは、
インターネットのおかげと言っても過言ではなさそうです。
特に、掲示板を通じて新しいお友達が出来たことは、私にとって新鮮で幸せな体験でした。

 
皆さんとのお付き合いは現在でも続いているので、大いに照れるところですが、
そんな大切なお友達から頂いた、有形・無形の財産について、
気の向くまま、ボチボチ、様子を見ながら、適当に…書いてみようかなと考えています。


 ★ 其の1: この年でタンゴ通になる、の巻
  
■「タンゴ・コレクション」


私の音楽キャリアの中で、タンゴについては
ほんの限られたものしか聴いていませんが、
あの、独特の歯切れの良いリズムを気に入っていましたから、
いつの日か、もっと聴くチャンスがあるだろうと思いながら、
きっかけが無かったものでした。


 昔は、我家にもフランシスコ・カナロ、ファン・ダリエンソのレコードがありましたし、
50年代は、 アルフレッド・ハウゼや、リカルド・サントスのタンゴ音楽も、ラジオのポピュラー番組で聴けました。
また、「ミロンガ」 という名の喫茶店にはよく出入りしましたし、夜はそこでダンスなどもやっていました。
 今でも、リカルド・サントスの 「真珠とりのタンゴ」 というドーナツ盤だけは、手元に残っていますし、
フランシスコ・カナロのタンゴ・アルバムは、カセット・テープ時代に購入して、よく聴いていたものです。
 とはいうものの、すぐ名前が浮かんでくるタンゴ音楽のアーティストといったら、せいぜいその程度でした。


 50年代にも、タンゴや中南米音楽が聴ける、NHKのラジオ番組があったということをお聞きしましたが、
私は、民放のポピュラー・ヒット番組専門でしたから、そんな番組があったことすら知りませんでした。

 ・コンチネンタル・タンゴ  
 ■「Old Continental Tangos」


掲示板で教えていただいたのは、コンチネンタル・タンゴが最初でした。
「Old Continental Tangos」というアルバムは、
頂いた曲に、ジャケットを作ってアルバムにしたものですが、
世界に1枚しかない自分のアルバムというのは、何とも気分が良いものです。

こんなチャンスを与えてくれたネットに、そしてお友達に感謝しています。
ハンドル・ネームがmahaloさんという方で、アルバムにも勝手に書き込んでいますが、
プライベートのお遊びということで、勘弁していただこうと思っています。

 
「イタリーの庭」:ビリー・コットン 「ガウチョの嘆き」:フロリンド・サッソーネ 「ジェラシー」:ダヨス・ベラ
 
「カプリ島」:ワイントウラウブス・シンコペーターズ 「ジーラ・ジーラ」:ヘラルド・ガウチョ 
 
「スペインのタンゴ」:バルナバス・フォン・ゲッツィ 「たそがれ」:オルケスタ・ティピカ・ビアンコ・バティーチャ
 
「ニーナのような娘さん」:ヘラルド・ガウチョ 「バラのタンゴ」:セルゲ・クロトコフ 「夢のタンゴ」:バルナス・フォン・ゲッツィ
 
「ポエマ」:ビセンテ 「モンテカルロの夜」:コロンビア・ダンス楽団 「ラ・ヴィオレテラ街の灯」:アレキサンダー
 
「ラ・クンパルシータ」:ヘラルドス・ガウチョ 「待ちわびて」:ヴィック・マックスウェル 「パリ祭」:ダヨス・ベラ
 
「夢去りぬ」:ヴィック・マックスウェル 「夜のギター」:オイゲン・ヴォルフ  「夜のタンゴ」:ポーラ・ネグり

 名前に聞き覚えがある楽団が少しあるくらいで、ほとんどは知らなかったので、
最初はあまりピンとこなかったのですが、今ではお宝アルバムとして時々楽しんでいます。
                           
 ■「Barnabas Von Geczy」

「碧空」 「月下の蘭」 「カミニート」 「オレ・グヮッパ」 「黒い瞳」
「奥様お手をどうぞ」 「ブルー・タンゴ」 「小さな喫茶店」 
等など、
聴き馴染んだ名曲や、マランド、スタンリー・ブラック、ゲッツィ特集など、
沢山のコンチネンタル・タンゴの音源を頂けたのは幸いでした。

 
 私でさえタンゴの想い出があるくらいですから、私の年令よりチョッと上の方にとって、
タンゴは身体に染み付いた音楽なんだろうなあ、と想像しています。

 ここでは触れませんが、mahaloさんからはシャンソンも沢山聴かせて頂き、
子供の頃から一番の苦手だったシャンソンを心地よく聴けるようになったのには、私自身大いに驚いています。
年令と共に、つまらないこだわりが無くなってきたのかもしれませんが…。
そして、シャンソンの中にも、タンゴのリズムが使われているものが多く、タンゴの影響の大きい事を知りました。
 コンチネンタル・タンゴという呼び方は、日本だけのようですが、子供の頃ラジオから流れてきたのは、
アルゼンチン・タンゴより、こちらの方が多かったような気がしていますし、洗練された音楽という印象がありました。



 
・アルゼンチン・タンゴ
 
インターネットの掲示板は、それまでの人生で全く縁の無かった人達と知り合えることが大きな喜びですが、
ひょんなことで、タンゴのオーソリティの方とお友達になり、たっぷり教えていただけたのは何とも幸いな事でした。

 私より少し年長さんですが、50年代からタンゴに興味をおもちのようですから、半世紀以上のキャリアになります。
大抵のタンゴ・アーティストの来日公演もご覧になり、今でもダンスを楽しまれていらっしゃるようですから、
そこらのタンゴ通などとはレベルが違うというのが私の印象です。
 ちなみに、HN:tangofunfさんとしか未だに存じ上げませんが、ここがインターネットの不思議な魅力でもあります。

 紹介していただいた下記のアルバムも、お持ちの音源のほんの一部にすぎないはずですが、
私にとっては、もうこれらを聴いただけで、十分アルゼンチン・タンゴ通になったつもりでいます。

    
      ■「Carlos Galdel」
    
     ■「Francisco Canaro」         ■「Anibal Troilo」      ■「Juan D Arienzo」 

    
    ■「Enrique Rodriguez」        ■「Agustin Magaldi」         ■「Ignacio Corsini」     ■「Francisco Lomuto」 
    
    
 
      ■「Hector Valera」         ■「Rosita Queroga」         ■「Azucena Maizani」     ■「Ada Falcon」

    
 
     ■「Tango Concert」         ■「Tango Nostalgia」        ■「Ranko Fujisawa」      ■「Mercedes Simone」

    
     ■「Orquesta Tipica Victor」       ■「Francisco Lomuto」      ■「Edgard Donato」      ■「Sentimiento Gaucho」

 私が勝手にアルバム・ジャケットを作ったのですが、これらを全て床に並べてみました…、壮観です。
大抵の音楽は、過去の想い出とリンクしていますし、今でも買っているCDは、昔聴き馴染んだものばかりですから、
こんな事は初めての体験です。
 もちろん、私にとってもタンゴは懐かしの音楽ですが、これだけのアルバムとなると話は違ってきます。
 恐らくtangofunfさんは、アルゼンチン・タンゴ界でも有名なアーティストばかりを、先ず紹介してくれたはずですから、
私は、何の苦労もなしに、回り道をすることなしに、ダイレクトにタンゴの真髄に接する事が出来たということになります。

 ジャズやカントリー音楽の場合は、長い時間をかけて親しんできましたから、自然と音楽の背景や歴史なども、
自分なりに把握しているつもりですが、タンゴの場合はそれが無いので、チョッと物足らない感じもします。
そこまで求めてはバチが当たるというものですが、
tangofunfさんだったら、1曲の中に青春の想い出が沢山詰まっているでしょうから、
同じ曲を聴いても、全然違った解釈なんだろうなあ、と羨ましい気持ちがするのは否めません。
 
 
どのアーティストの演奏や歌も、聴きこむとそれぞれに味があって、さすがに一流という雰囲気がありますが、
私が気に入った曲やアーティストについても、いずれ触れてみようと思っています。



 
★ 其の2:懐かしの音楽番組あれこれ 
  
■「Day by Night / Doris Day」

中高生時代に田舎で聴いていた、
「S盤アワー」 「L盤アワー」 「ユア・ヒットパレード」
そして、上京してすぐめぐり会った、オシャレな番組「ポート・ジョッキー」〜、
忘れられない音楽番組ばかりです。

 なんとも幸運なことに、これらのテーマ音楽入りの音源を、お友達から頂きました。
 
この方については、いずれ改めて触れたいと思っています。
        
 ・「S盤アワー」  
■「Mambo Jambo / Perez Prado」




エコーの効いた “S盤アワー” の声の後に続く、
プラドの
 「エル・マンボ」 のメロディ、そして、
“今晩は皆様、ご機嫌いかがでいらっしゃいますか、帆足まり子です。
犬のマークでお馴染みの、日本ビクターがお送りする、
ニュー・スタイルの軽音楽プロ、S盤アワーの時間がやってまいりました。
  
秋の夜長…、今夜はポップス界の王様、
エルヴィス・プレスリーの唄うヒットソングの数々をお送りしましょう。
「ハートブレイク・ホテル」 「監獄ロック」 「GIブルース」 
「ラヴミー・テンダー」
 など、ずらりと並んだヒット曲でお楽しみください。”

…懐かしさで、思わずゾクゾクッとしました。

 DJの帆足まり子さん、もっとチャキチャキした女性という印象だったのに、
実際に聞く声は、しっとりした大人の感じがして、これは意外でした。
最後に聞いてから、もう50年も経つのですから、当たり前のことでしょう。
ラスト・テーマのラルフ・フラナガンの
 「唄う風」 …これは聴けませんでしたが、
オールディーズというと、今でも、この番組の事がすぐ頭に浮かびます。


 ・「L盤アワー」
  
■「Percy Faith Favorites」


パーシー・フェイスの
 「恋をして」 のメロディが流れて、
“L盤アワー!”…園礼子さんのオシャベリが始まります。
“〜北から南まで、全国民間放送27曲をネットしてお送りしています。

今週は、今話題の映画音楽ばかり集めてみました。 
「風と共に去りぬ」から 
「タラのテーマ」、「昼下がりの情事」から、
「ファッシネーション」、「アラモ」から、ブラザース・フォーの 「遥かなるアラモ」 など、
話題の映画音楽ばかり7曲をメドレーでお送りします。
さあ、あなたのリクエスト曲、お送りできるでしょうか〜。”


 
番組で、リクエストを受け付けていたことも忘れていましたが、「アラモ」 が入っているので、
これを放送したのは、60年になってからのことでしょう。
 もうこの番組を聴いていませんでしたが、当然の事ながら番組の雰囲気は、私の聞いていた頃と一緒でした。



 ・「ユア・ヒット・パレード」
  
■「Shane」


 L盤やS盤に比べて、「ユア・ヒット・パレード」は
曖昧な記憶だけが残っていました。
今までに、何とかヒット・パレードという番組が沢山あったせいかもしれません。

 男性が “林商会提供” と言うと、 “ヨア・ヒットパレード” と
チョッと気取った調子で女性が続け、クラシック風な元気の良い音楽が流れます。
 “今どんな曲がヒットしているか、これからどんな曲がヒットするか〜、
テリアのマークでお馴染み林商会が、毎週日曜日の午後9時半からお送りする、
テリア・ユア・ヒットパレード〜〜、今晩は、ヒットソング6年の歩み、
 
「エデンの東」 から 「栄光への脱出」 までをお送りします。”


 丁度300回記念だそうですが、これも「栄光への脱出」が、60年代になってからですから、
この放送を、私は聴いていなかったことになりますが、懐かしさに変わりがありません。

 あの頃、ラジオから流れてくる曲は、映画音楽が圧倒的に多かったので、いち早く映画館で知った曲も沢山ありましたが、
今と違っておおらかな時代でしたから、 「エデンの東」 「慕情」 などは、毎週ラジオで聴くことができました。

 映画音楽に限らず、流行の外国音楽をどこよりも先に聴けたラジオ番組は、
「ユア・ヒット・パレード」だったのかもしれませんが、兎も角古い話ですから、思い巡らしても正解は見つかりません。


 ・「ポート・ジョッキー」
 ■「Billy Vaughn /original album」

憧れの東京にやってきた、ある夜、
Hi-Fiラジオのダイヤルを廻していて、偶然聴こえてきたのが、
ラジオ関東の「ポート・ジョッキー」でした。 “ボーッ” という霧笛の後、
“イッツ・ザ・ポート・横浜・シーサイド・イン”
 とナレーションが入り、
オープニング・テーマが始まるのですが、
ずっと、ビリー・ヴォーンの
「波路はるかに」 だと思っていましたが、
これはエンディング・テーマのほうで、出だしは
「アマング・マイ・スーベニール」 ということが、今頃判明しました。

 “今晩は田嶋さん!” “グドゥ・イヴニング森さん、ハウ・アーユー・トゥナイト?” 
“アイム・ファイン・サンキュウ”
…今聴くと、何ともきざなやり取りですが、当時は、
これが都会の香りというものか、と感動しながら聞いたものでした。

 大学時代は朝から晩まで運動をしていたので、翌日を考えて深夜放送を聞く事はありませんでしたから、
この番組と、FENのグランド・オール・オープリーのライブ放送は、特に印象に残っています。
 とは言いながら、深夜テレビの、「ミステリー・ゾーン」 「ヒッチコック・劇場」 など、部屋の電気を消して、
やせ我慢をしながら観ていたのもこの頃でしたから、案外遅くまで起きていたのかもしれません。

 
運動部では、下級生の頃と上級生になってからは、時間的にも精神的にも雲泥の差があり、、
ポート・ジョッキーは、下級生の辛い時代の想い出とリンクしているようです。

 
   
これらの番組のほかにも、
私が、中学時代に
「オンリー・ユー」 をリクエストした、
志摩夕起夫さんがDJをしていた、深夜番組名は未だに解りませんし、
同じく日曜日の午後に楽しんだ、志摩夕起夫さん、浦川麗子さんの、
「ポポン・ミュージック・レター」が、どんなテーマ曲だったか、わかりません。

■「Only You / The Platters」

想い出せないだけで、聴き馴染んだ音楽番組が他にもあるはずですが、
今となっては、何か取っ掛かりが無いと、想い出せるわけもありません。
 50年代のラジオ番組は、同世代の者にとっては、何にも替え難い財産になっているはずで、
私も、その頃を懐かしんで、CDを買い集めてきたというわけです。




 ★ 其の3:その頃のレコード
 
■「レコード・コレクション:okさん所蔵」
 

私が最初に買ったレコードは、プレスリーのドーナツ盤でしたから、
当時を振り返って、50年代初頭に、SPレコードを子供が買う
などということは、思いもよらなかったものです〜。

ところが、お友達が、想い出の音楽番組のもとになった、
「S盤」や「L盤」のレコードを沢山お持ちだと知って、これには、心底驚かされました。
 ハンドル・ネーム:okさんは、私がトピ主をしていた掲示板で、
アメリア・ロドリゲスの
「暗い艀」 の話題で知り合った、一番古いお友達です。
アマリアと普通は言っている、と教えていただいたのがきっかけでした。

                  
■「Solid ao/Amalia Rodrigues:okさん所蔵」
 
 私より少し年長さんですから、主題歌だけでなく、
「過去をもつ愛情」のストーリーも、フランソワーズ・アルヌールと
ダニエル・ジュランが別れるラスト・シーンまで、しっかり憶えていらっしゃったり、
私が今でももっている、ペギー・リーの 
「オータム・イン・ローマ」 が使われた、
映画:「終着駅」で、モンティとジェニファ・ジョーンズの別れが辛かったという、お話でしたから、
私と違って、アメリカのノー天気な娯楽映画より、シリアスな映画がお好きだったようです。
                  
■「ヘッドライト主題曲/サウンドトラック:okさん所蔵」


 もっとも、私はまだガキンチョでしたから、
恋愛モノ、特にフランス映画は理解不能なつまらない映画と感じたのも、
今思えば至極当然のことだった、と思っています。

「オータム・イン・ローマ」 のレコードも、 「ジャニー・ギター」 の裏に、
たまたま入っていただけですから〜。
         
 ■「Autumn In Rome /Peggy Lee」


でも、私同様、プレスリーに傾倒し、オールディーズを愛し、カントリーを聴き、
ジャズもお好きと知って嬉しかったものです。
私が初めて買ったハンク・ウイリアムスは既にEP盤でしたが、
okさんは代表曲を、SP盤でお持ちだったようです。

  
 ■「I'll Be Home & Love Letters In The Sand/ Pat Boone:okさん所蔵

 プレスリーと人気を二分していた若者のアイドル:
パット・ブーンのヒット曲: 
「アイル・ビー・ホーム」 は、
ドット・レコードの記念すべき最初のプレス:Dot-1
だそうですが、これをお持ちなのには恐れ入りました。
 Dot-13の 
「砂に書いたラヴ・レター」 のほうが
大ヒットしましたが、私はどちらも好きでした。
 
「アイル・ビー・ホーム」 「砂に書いたラヴ・レター」 「アナスタシア」 「四月の恋」 「アイル・リメンバー・トゥナイト」
これらが、当時私のベスト・ファイブでしたが…、いまだに変わっていないようです。
          
 okさんの場合、フォルクローレやラテン音楽については、特別お詳しいという点で、私とは大きな違いがあります。
 ボサノヴァあたりからの、ブラジル音楽が好きではないというのが、ニクイところですが、
確かに、あの音楽は、アメリカ商業主義から出来上がったと言えそうですから、
okさんは、もっと素朴な土地柄、素朴な人柄を感じる音楽に対して愛着があるのだと思います。
 ここらへんは、俗っぽいものが大好きな私とは、決定的に違いそうです。
   
■「Cold Cold Heart  Honky Tonk Blues/Hank Williams:okさん所蔵」

フォルクローレを薦められたのですが、、
馴染みがないだけに、どうしても積極的になれません。
多感な時代に聴いた音楽というのは、身体に染み付いているので、
たとえ嫌いだったものでも、今頃聴きなおしてみると
懐かしさが蘇るのですが、全く経験していない音楽には、なかなか食指が動かないものです。

 okさんには、貴重なレコードのセンター・レーベルの写真を、何枚も頂きましたが、
「S盤アワー」の、S−1のナンバーがついたレコード:フレディ・マーティンの 
「バンブル・ブギ」 もお持ちでした。
 この曲が最初ということは、戦後の荒廃した日本で、笠置しず子の 
「東京ブギ」 「買い物ブギ」 などが、
庶民の心を癒していたということで、洋楽としてもそこらへんを配慮したのかな、などと勝手に想像しています。
 昔は、せわしない曲だな、なんて思ったものですが、記念すべき1号と知ると、再び聴いてみたくなるものです。


         

■「Bumble Boogie / Freddy Martin:okさん所蔵」


50年代、リアル・タイムのSPレコードを山ほどお持ちというのですから、
大変な資産家であることは間違いありません。
…下世話な話ですが、相当音楽好きで、経済的に恵まれた人でも、
当時あれほど揃えられるものではありません。
まあ、子供の頃から今に至るまで、レコード鑑賞にとどまらず、音響装置についても、
相当の知識をお持ちですから、単なる趣味を超えていることは確かです。
 また、写真家として、講師などもされていたようですから、
凝り性を超えた粋人の先輩として、羨ましい限りです。
 その昔、ラジオにかじりついて聴き入った曲の数々…その音源に今頃めぐり会うというのも変な気分がするものです。
子供の頃、感覚だけで記憶されていたものを、今、データとして確認する…数十年前の自分が蘇る思いです。

 「S盤」シリーズはビクターのようですが、我が、エルヴィス・プレスリーの 
「ハートブレイク・ホテル」 は、
S−200盤台に登場するとの事、プレスリー以前にも、沢山のヒット曲がS盤アワーからは流れてきた事になりますが、
私が意識してラジオの音楽番組を聴くようになったのが、プレスリーあたりからですから、
曲を聴いてみないとわかりませんが、ともかく当時は、同じ曲を何ヶ月も、何年も流してくれたので、
きっと聴き馴染みのある曲ばかりだと思っています。

         
■「Jealous / Les Paul & Mary Ford:okさん所蔵

キャピトル・レコードは、Zシリーズというのを発売したようです。
そのZ-1 がレス・ポールとメリー・フォードの、
「ジエラス」 だそうですが、
私はこの曲に聴き憶えがありません。
 「世界は日の出を待っている」 「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」
 「モッキンバード・ヒル」
 など、彼らのヒット曲は、ラジオでいち早く覚えたものでしたが、
何と言う音楽番組だったのかは憶えていません。
 また、キャピトル・レコードとなると、我がフランク・シナトラが、絶頂期に在籍した会社だけに、
想い出の曲:
「国境の南」 は、間違いなくこのシリーズに入っているはずです。

         
■「If/Jo Stafford:okさん所蔵」

「L盤」…ジョー・スタッフォードの
 「イフ」 レコードには、L−47と書いてあります。
何とも上品なレーベルです。我家にもSPレコードがありましたが、
こんなオシャレなものは無かったはずです。

 コロンビア・レコードですから、
「霧のロンドン・ブリッジ」 は、
「L盤アワー」で初めて聴いたということになりそうです。
 記念すべき「L−1 」盤:レイ・ノーブル楽団の
 「夢路まどかに」 は、
確かokさんもお持ちでした。
        
■「Drum Boogie /Gene Krupa」

他にも、ドリス・デイや、ペギー・リーの、
素敵な色つきのセンター・レーベルを見せていただきました。
 コロンビアと言えばベニー・グッドマンで、
「メモリーズ・オブ・ユー」などは、
当然、ここで聴いたことになりますが、私もジーン・クルーパの 
「ドラム・ブギ」 
のドーナツ盤をいまだに後生大事に持っています。
恐らくL盤アワーで、この曲を聴いて買い求めたのだと思いますが、
いきさつなど当の昔に忘れています。
        

 田舎で、東京のラジオ番組がよく聞けたものだと、不思議な感じがしますが、
当時は、ラジオで雑音が入ることは当たり前でしたから、気にもならなかったものです。
それに、雑音の合い間から聞こえてくる、遠い東京からの音が、何とも魅力的に感じた時代でした。

 気に入った音源を手軽に持ち運べるようになった現代…、
私の場合、レコードはあきらめましたが、せめて家の中だけで、のんびり聴く事にしています。



 ★ 其の4:今の音楽番組あれこれ
  

■「Sidney Bechet Revolutionary Blues」


 子供の頃からずっと、ラジオは身近な存在でしたから、
今でも、テレビよりラジオを聴いている時間の方がずっと長く、
愛着もあります。
ただ、聴きたいと思う音楽番組が少なくなってしまったのが、大きな不満です。

 50年代〜60年代のポップス・カントリー・ジャズ番組などは、未知の魅力に溢れていましたが、
その後の音楽に魅力が無くなったことが一番の原因なのでしょう。気の効いた音楽番組も無くなってしまったようです。
 深夜ラジオなども、テレビと変わらずお笑い芸人の馬鹿騒ぎ番組ばかりですし、
民放のFM放送も沢山できたものの、どれも魅力がなくほとんど聴きません。

 音楽は時代を反映するものかもしれませんが、私の聴きたい音楽は、今の時代のものではありませんから、
結局懐かしい音楽を流してくれる番組が、良い番組ということになります。

  
■「The Essential Glenn Miller」


そんな中、最近ずっと聴き続けている音楽番組が2つあります。
1つは、土曜日の夜11時から、ラジオ日本で放送されている 「大人のジャズ・タイム」
もう1つは、日曜日の夜、AFNで10時5分から午前零時まで放送している、
「クルージング・USA」
という番組です。
 ラジオ日本は昔のラジオ関東。AFNは昔のFEN…「Far East Network Tokyo」が、
「American Forces Network Tokyo」に〜。
局名がいつ変わったのか知りませんが、どちらも青春の想い出が沢山詰まったラジオ局です。


 ・「大人のジャズタイム」
  

■「The Best Of Tommy Dorsey」


 「大人のジャズ・タイム」は、その昔、
FENで日曜日の午後に放送された、スィング番組のテーマ曲としても懐かしい、
トミー・ドーシーの 
「Opus No.1」 で始まる、今時珍しい本格的ジャズ番組です。

70才台の島崎なんとかという男性と、自身もシャンソン歌手らしい、
離婚歴のある子持ちの女性との掛け合いですが、島崎氏の博識ぶりや説得力のある語り口が、
女性の素朴な雰囲気とよくマッチしていて、聞きやすく心なごみます。
 それに、なんと言ってもリクエストされる曲が、ほとんどスタンダードのジャズ・ナンバーというところが、最大の魅力です。
ディキシー、スィング、モダン、の一流どころの演奏や、ジャズ・ヴォーカリストばかりが毎週登場するので、楽しみです。
当然、音源を持っていない曲も多いのですが、それだけに期待が膨らむというというものです。
 番組の構成には、かなりこだわりのプロが関わっている、というのが何とも嬉しい話です。

         
■「Lester Young The Kansas City Sessions」

番組のリスナーも、本物のジャズ・ファンということが、しっかり伝わってきます。
ただ、折角だからと、リスナーの中には、わざわざニッチな曲を
リクエストする人もたまにいて、昔の自分を重ねて苦笑いしています。
「どうだ、俺はこんな曲も知っているんだぞ!」…音楽好きにはよくあることです。


         
■「Hank Mobley Curtain Call」


昔、FENで 「Swinging Years」 という素晴らしい番組がありましたし、
NHK・FMの「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」というオシャレな番組も忘れられません。
比較的新しいところで、民放の「永遠のポップス〜メロディーズ・リンガー・オン〜」という
スタンダード・ジャズの楽しめる番組も毎週聴きました。

 これらの番組から録音したテープは、相当廃棄したつもりですが、
捨てきれないものがまだ山積みになっています。

 いつの間にか、魅力的な番組も消えていきましたから、本格的なジャズ番組というのは貴重です。
 兎も角、土曜の夜はこの番組を必ず聴く事にしています。最悪何かの用事を抱えていても、
最近買った、ラジデンという携帯電話がありますから、聞き漏らす事はまずありません。



 ・「ポート・ジョッキー」

 実は、この番組の前に、昔懐かしい「ポート・ジョッキー」のリメイク番組があるのです。
 なるほど、ビリー・ヴォーンの 
「波路はるかに」 がテーマ・ミュージックに使われたり、
英語をしゃべる男性DJと、アシスタントの女性が、昔ながらの調子でオシャベリをするのですが、
どうも、わざとらしい感じがして心に響いてきません。そして致命的なのは選曲の悪さです。
フレッド・アスティアが、レスター・ヤングが、ビートルズが唐突に流れてくるのですから、たまりません。
 特に我々世代にとって、プレスリーやパット・ブーンと、ビートルズが同じ土俵に上がることには、
我慢ができないものです。
        
■「Pat Boone」

音楽番組というのは基本的に、誰に聴かせたいのか、
特徴は何か…コンセプトが明確でないとつまらないのですが、
その典型といった感じです。ともかく、心安らかに聴いていられないというわけです。

昔の「ポート・ジョッキー」は、ほとんど50年代のヒット曲で番組が作れたので、
構成も楽だったことはあるでしょう。
でも、現代のように膨大な音楽が溢れているということは、それなりのテーマ設定が、
むしろ出来やすいというものです。
 恐らく若い人が選曲しているのでしょうが、リスナーというのは、
時代時代の音楽に、音楽のテイストに、かなりのこだわりをもっていることをもう少し学ぶべきでしょう。

 音楽番組が続けてある場合、どうしても厳しい評価をしてしまいがちですが、
想い出の番組だけに、中途半端な真似事だけは勘弁して欲しいと思っています。


 
・「クルージング・USA」
  
■「The Best Of Buddy Holly」

ヤンキー放送の(昔から、こう言っていたので
今でも思わず言ってしまうのですが…)、
「クルージングUSA」は、現地アメリカでは
日曜の朝のリクエスト番組のようです。
 ともかく、DJのおばちゃんのノリの良さが一番の魅力です。
早口で、英語の魅力を十分感じる素敵な声ですが、
恐らく私と変わらない年代だろうと推測しています。
        
■「Chuck Berry Best Selection」


以前は、1950年代のロックンロール専門でしたから、リクエストされる曲も
懐かしいものばかりでした。最近それだけでは行き詰まったのか、
1950年代から60年代前半迄、と巾を広げてしまったので、
時々、わけのわからない曲がかかるのがチョッと納得できませんが、
プレスリー、ジェリー・リー・ルイス、リッキー・ネルソン、ボビー・ダーリン、
バディ・ホリー、ファッツ・ドミノ、チャック・ベリー、
懐かしいアーティストのヒット曲は、ほぼ毎週流してくれるので、十分満足しています。

 面白いのは、50年代のリクエスト曲の中には聴いたこともない歌があって、それも大抵魅力のないものです。
あれでは日本に渡ってこなかったのは当然だな、などと一人で納得しています。
 
■「Jerry Lee Lewis The EP Collection」


プレスリーの 
「ミーン・ウーマン・ブルース」 「ハウンド・ドッグ」
ファッツ・ドミノの 
「アイム・イン・ラヴ・アゲイン」 「ブルー・ベリー・ヒル」
チャック・ベリーの
 「スィート・リトル・シックスティーン」 「ジョニー・B・グッド」
バディ・ホリーの 
「ペギー・スー」 「ザッツル・ビー・ザ・デイ」
ジェリー・リー・ルイスの 
「ホール・ロッタ・シェーキン・ゴーイン・オン」
ボビー・ダーリンの 
「ドゥリーム・ラヴァー」、リッキー・ネルソンの 「プア・リトル・フール」…、
 有難いことに、ここらあたりの曲は頻繁にリクエストされます。
 リクエストする、おじさん・おばさんの嬉々とした声を聞いていると、あの人達と時代を共有したんだなあ、と、
遠いアメリカの同年代のリスナーが、妙に身近に感じられて嬉しくなります。

 
■「Bobby Darin Mack The Knife」


探せばもっと面白い番組もあるのでしょうが、
どうしても聞きなれたラジオ局にダイアルを合わせてしまうものです。
家にいるときは、ほとんどニッポン放送を出しっぱなしなのですが、
「オールナイト・ニッポン」世代でもなく、気の効いた音楽をやるわけでもないのに、
いつものアナウンサーの声や番組を聞いていると、気が休まるから不思議です。
 糸井五郎のDJで音楽番組があって、確か放送局はニッポン放送だったはずですが、
「オールナイト・ニッポン」という番組名ではなかったような気がしています。
いずれにしても社会人になってからは、ほとんど深夜放送を聞かなかったので、
強い想い入れもありません。

 ラジオの良いところは、何かをしながらでも楽しめるところですが、
集中して聞きたくなるような番組が、もっと出てきて欲しいものです。



 
★ 其の5:エルヴィス・プレスリーのアルバム2枚。


■「Elvis Presley 」


「Elvis Presley」 
「Heartbreak Hotel」 「I Was The One」 「Blue Suede Shoes」 
「I'm Couting On You」 「I Got A Woman」 「One-Sided Love Affair」 
「I Love You Because」 「Just Because」 「Tutti Frutti」 
「Trying To Get To You」 「I'm Gonna Sit Right Down And Cry」 
「I'll Never Let You Go」 「Blue Moon」 「Money Honey」  
「Sheke Rattle And Roll」 「My Baby Left Me」 「Lawdy Miss Clawdy」 
「I Want You I Need You I Love You」 

 彼の最初のLPレコードに、その頃のヒット曲で抜けているものを
ボーナス・トラックとして追加しているアルバムですが、追加曲のほうが充実しているという、珍しいCDです。

 ほとんど揃えた彼のレコードですが、このLPを買った憶えがありません。
肝心の
「ハート・ブレイク・ホテル」 「アイ・ウォント・ユー・アイ・ニード・ユー・アイ・ラヴ・ユー」 が
抜けたLPだったそうですから、魅力もありませんが、
そもそも、あの頃のプレスリーのレコードは、ドーナツ盤のほうが一般的だったような気もしています。

 それにしても、ピンクとグリーンという、品の無い配色の文字を大胆に使ったレコード・ジャケット、
コントラストを強調する事で、若いエネルギーを表現したかったのでしょう。
当時としては凄いインパクトがあったのでしょうが…、稚拙な感じは否めません。
 きっと大人達は、プレスリーの音楽そのものに、今の私と同じ印象を抱いていた事でしょう。

 このCDのおかげで、長い間の疑問が解けました。
 「ハート・ブレイク・ホテル」 の裏面は 「アイ・ワズ・ザ・ワン」
 「アイ・ウォント・ユー・アイ・ニード・ユー・アイ・ラヴ・ユー」 の裏面が、
 「マイ・ベイビー・レフト・ミー」 だったということです。

 以前も書きましたが、
「ハート・ブレイク・ホテル」 は、
彼の最初の大ヒットだということと同時に、私が自分で買った最初のレコードでした。
 当然いまだにインパクトは一番ありますが、あの頃何度も聴いているうちに、
 「アイ・ウォント・ユー・アイ・ニード・ユー・アイ・ラヴ・ユー」 のほうが好きになったような気がしています。

 そして、これらは、同じレコードの裏表だったのでは、と長い間考えていたのですが、
「アイ・ワズ・ザ・ワン」を聴いて、“ああ、この歌も、同じ頃聴いていたなあ。”と想い出しました。
 どれも、1956年のヒットということで、当時は、ドーナツ盤をしこしこ買い集めていたのでしょう。
但し、当時4曲入りEPというのもあったようですから、完全には疑問は解けていません。
 今更、深く考えてもどうなるものでもありませんが、青春の一大出来事として、何となく気にはなります。

 ライナーなどを読むと、まあ、詳しい人もいるものだと、つくづく感心させられます。
恐らく、今のほうが自称プレスリー通という人達も沢山いることでしょうが、
50年を経て、今なお熱烈なファンがいるというところに、彼の音楽の普遍性を感じます。

 プレスリーの独特のロカビリー調の歌い方を、ヒカップ唄法というのも初めて知りましたし、
 
「シェイク・ラトル・アンド・ロール」 は、てっきりファッツ・ドミノの曲だと思っていたのですが、
私があまり好きではない、ジョー・ターナーの代表曲だったようです。

 リトル・リチャードで馴染みのある 
「トゥッティ・フルッティ」 も、
プレスリーの歌は、ギラギラした黒人のような雰囲気で、さすがと納得させられます。
黒人のブルース歌手のような、ねちっこさを持ち合わせていたところが彼の魅力でした。

 「トライ・トゥ・ゲット・トゥ・ユー」…この歌は、大好きだっただけに、
若々しい彼に再びめぐり会えて、大いに満足しました。
55年の録音だそうですが、ここでピアノを弾いているのは、プレスリーということですから、ビックリです。
白人でピアノの弾き語りなど、ジェリー・リー・ルイスの専売特許だと思っていただけに〜。

 あの頃は、次々流れてくる、彼のヒット曲をひたすら聴きまくっていただけで、
録音がいつで、伴奏が誰でなんて気にもしなかったものです。
スコッティ・ムーアには興味がありましたが、チェット・アトキンスがギターを、フロイド・クレイマーがピアノを、
プレスリーのバックで弾いているなんて、随分贅沢な布陣だったことに驚かされます。

  
■「Elvis Presley Loving You」


「ラヴィング・ユー」
「Mean Woman Blues」 「Teddy Bear」 「Loving You」 
「Got A Lot O'livin' To Do!」「Lonesome Cowboy」
「Hot Dog」 「Party」 「Blueberry Hill」 「True Love」
「Don't Leave Me Now」 「Have I Told You Lately That I Love You」 

全て57年の録音で、ボーナス・トラックが8曲もありますが、
 「One Night Of Sin」 以外は,、あまり心に響きません。

 私が手にした最初のLPレコードは、「ラヴィング・ユー」であることは間違いないところですが、
ジャケット・デザインは、プレスリーの顔のアップではありませんでした。

そして、針を落とすと先ず聴こえてくる、「ミーン・ウーマン・ブルース」 がお気に入りでした。
       

■「My Fevorite Songs」

「ラヴィング・ユー」 「ロンサム・カウボーイ」 「愛していると言ったっけ」 などは、
学生時代、ギター片手に得意になって歌ったものでした。
「ブルー・ベリー・ヒル」 を最初に聴いたのが、ファッツ・ドミノだったか、
プレスリーだったか、今となってははっきりしませんが、
このスローなブルース・フィーリングが大好きでした。現在聴き比べができますが、
やはりファッツ・ドミノのくつろいだ雰囲気にはかなわないようです。


 「さまよう青春」 という映画の挿入曲で構成されていますから、まとまりもよく懐かしいものばかりです。
といって、ストーリーを憶えているわけでもないのですが、曲を聴いていると、
何となくシーンが蘇るような気がしますから、耳から得た記憶には不思議な力があるようです。


 彼が兵役に行く前の、新鮮な魅力に溢れたヒット曲の数々を聴いていると、
世の中に怖いものなど何も無かった、若き日の自分が蘇ってきます。
これだけは、若い人が同じ曲を聴いても、決して味わえない感動であり、貴重な財産でもあります。

 チョッと後に生まれた人達にとっては、ビートルズあたりに同じ想いを抱いているのでしょうが、
日本が既に成長期を迎え、世界の情報をテレビを通じて、茶の間に居ながら知る事が出来た60年代と、
プレスリーのデビュー当時とは、国情、情報、生活環境、価値観…、全ての面で雲泥の差があったものです。

 ハリウッド映画をむさぼるように観、ラジオから流れる、雑音混じりの外国音楽に耳をそばだて…、
現実とはあまりにもかけ離れた夢の世界に、日本中の誰もが圧倒され、アメリカ文化に憧れた50年代。
プレスリーは、そんな時代に突然出現した、未来を先取りした特別なアイドルだったのです。
 ビートルズも、ベンチャーズも、プレスリーの作ったレールに乗っただけ、というのが実感で、
彼らにプレスリーほどの衝撃を感じなかったのは、私の感性の問題だけではなかったと思っています。

 再び、彼の歌を聴くようになるとは思わなかったので、
全部まとめて、人にあげてしまったプレスリーのレコード…、
 その後、渋谷の露天で、3枚組み1000円という超お買い得CDを買い、
好みの曲だけを選んで、オリジナル・アルバムなど作って満足していたのに、
こうして、キチッとしたアルバムを再び手にすると、熱かった時代が蘇りそうで困ったものです。


 世の中をアッと言わせた衝撃的な登場から、大歌手へ変貌する彼の活躍と、
同時代を過ごせた自分が何とも幸運ですが、同時に、戻らぬあの時代が無性に懐かしく想い出されます。


 
今、ネットのお友達から頂いた音楽を聴いているのですが…、
トニー・ベネットの
「イン・ザ・ミドル・オブ・アイランド」、南海の楽園のテーマ「パペーテの夜明け」
エディ・コクランの
「バルコニーに座って」、 アンソニー・パーキンスの「月影の渚」等など、
何の抵抗もなく、続けて聴いて楽しめるというのは、われわれの年代の特性かもしれません。


PS.

 昔懐かしいラジオ音楽番組の数々、その後いろいろな情報が集まりました。

私が深夜に電話リクエストした志摩夕起夫さんの番組は、「イングリッシュアワー」であり、
深夜デンリク番組の草分けだったようです。三国一朗さんと交互に司会をしていたということも判りました。
テーマ曲はラス・モーガンの
♪「リンガー・アワイル」

「ポポン・ミュージックレター」のテーマ曲は、シャンソンの
♪「パダム・パダム」
その他忘れていた音楽番組、テーマ曲の音源も随分入手したので、
いずれオリジナルアルバムでも作って、想い出に浸ろうと考えています。
        


   
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